話題株ピックアップ【夕刊】(2):伊藤忠テクノ、ファストリ、国際石開帝石

注目
2019年6月14日 15時18分

■伊藤忠テクノ <4739>  2,760円  +55 円 (+2.0%)  本日終値

伊藤忠テクノソリューションズ<4739>が反発。13日の取引終了後、住宅ローンの手続きを効率化する動画配信サービス「ローンシェルジュ」の提供を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。同サービスは、足利銀行(栃木県宇都宮市)、常陽銀行(茨城県水戸市)、千葉興業銀行(千葉市美浜区)と共同開発したもので、住宅ローンの申し込みをする顧客に対してWeb上で内容や手続きなどの動画を提供し、ローンに伴う諸事項の理解を促し、来店時のスムーズな手続きにつなげるのが狙い。同社では、地方銀行を中心に初年度で10社への導入を目指しているという。

■リックソフト <4429>  18,150円  +360 円 (+2.0%)  本日終値

リックソフト<4429>が上場来高値を更新。同社は今年2月26日に東証マザーズ市場に上場、公開価格4000円に対し2.3倍の9050円の初値をつけたことで話題となった。しかし、時価はそこから更に倍の水準まで上値を伸ばしている。スピード重視のソフト開発手法で脚光を浴びた「アジャイル開発」のツールベンダーであり、パッケージソフトではアジャイル開発と相性の良い豪IT大手のアトラシアン社製品をライセンス販売、19年2月期営業利益は前の期比2.8倍の3億7100万円と際立った伸びを示した。企業のクラウド投資の流れにも対応した製品戦略にも余念がなく、今後についても成長期待が強い。

■ファーストリテイリング <9983>  66,060円  +1,160 円 (+1.8%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>が1000円超の上昇で6万6000円台に歩を進め、5日・25日移動平均線のゴールデンクロス形成から一段の上値慕いの動きをみせている。きょうは日経平均株価が売り買い交錯のなかも強さをみせ、2万1000円台で売り物をこなしているが、値がさの同社株の上昇による影響が色濃い。市場では「12日付でUBS証券が同社株の目標株価を6万5000円から7万5000円に1万円も引き上げたことが株価の刺激材料となっている。中国や東南アジアの海外事業の好調をブランド力の向上に置き換えて評価しているが、このファンダメンタルズ評価はタイミング的にやや違和感もある。指数寄与度の高い同社株だけに(メジャーSQ算出などに絡み)“日経平均を意識した”との思惑もマーケットには漂う」(国内準大手証券ストラテジスト)という声もあった。

■フィックスターズ <3687>  1,965円  +33 円 (+1.7%)  本日終値

フィックスターズ<3687>が売り物をこなし9連騰と気を吐いている。全体相場が調整局面でも我が道を行く展開。海外市場や為替の動向に左右されない内需成長株特有の強さを発揮している。マルチコアプロセッサーによる顧客企業の高速処理のパートナー企業としてリピートオーダー率ほぼ100%の実績を有し、業績は高成長路線をひた走っている。19年9月期上期の営業利益は前年同期比4割増の6億7600万円と好調を極めている。カナダのDウェーブ社との協業による量子コンピューター分野への展開にも今後の期待が大きい。5月下旬には早稲田大学ベンチャーファンドへの出資を発表、SaaSビジネスや量子コンピューター分野のソリューションを充実させる方向で入念な布石を打っている。

■国際石油開発帝石 <1605>  913.8円  +11.9 円 (+1.3%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>やJXTGホールディングス<5020>などに買い先行。中東ホルムズ海峡近くで2隻のタンカーが攻撃を受けたと伝わったことを背景にWTI原油先物価格が急反発、1ドル14セント高の1バレル=52ドル28セントと急速に切り返しており、米国株市場ではエクソンモービル、シェブロンなどのエネルギー関連株が買われた。株式市場全般には地政学リスクとしてネガティブに作用する材料ながら、原油価格上昇と株価連動性の高い資源株や石油関連セクターには足もと買いを誘導する形となっている。

■ビックカメラ <3048>  1,143円  +14 円 (+1.2%)  本日終値

ビックカメラ<3048>が高い。午後0時ごろ横浜市青葉区に今秋、新規出店を行うと発表しており、これを好材料視した買いが入った。新店舗は、セブン&アイ・ホールディングス<3382>が運営する「イトーヨーカドー たまプラーザ店」3階に約2300平方メートルの店舗を出店する予定。ビックカメラとして、東急田園都市線沿線への出店は初となるほか、横浜市への新規出店は、新横浜店以来20年ぶりになるという。なお、店舗の詳細は決定次第明らかにするとしている。

■コニカミノルタ <4902>  1,017円  +7 円 (+0.7%)  本日終値

コニカミノルタ<4902>が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は13日、同社株のレーティングを「アンダーウエート」から「ニュートラル」に引き上げた。目標株価は1050円を据え置いた。「主力のオフィス事業の需要環境、競争環境は厳しく利益成長は緩やかなものにとどまる」というエクイティストーリーは継続した。ただ、株価は下落し目標株価を下回っていることや、業績の大幅下振れ懸念は後退していること、バイオヘルスケアやワークプレイスハブなど新規事業は21年3月期以降、緩やかながら増益寄与するとみられることーーなどをレーティング引き上げ理由に挙げている。

■凸版印刷 <7911>  1,663円  +5 円 (+0.3%)  本日終値

凸版印刷<7911>が反発。この日、タイに現地法人「トッパン(タイ)」を設立し、日系企業や現地企業に向けてデジタル技術を活用したマーケティングソリューションの提供を本格的に開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。同社はこれまでも、タイでの観光インバウンド向けコンテンツ制作などのビジネスを展開してきたが、リアルとデジタル技術を融合させたマーケティングソリューションを本格的に提供するため、同現地法人を設立するという。今後は、デジタルサイネージなどを活用したセールスプロモーション事業に加え、IoTやID認証などのデジタル技術を活用したスマートオフィス/スマートファクトリー化支援などを提供するとしている。

■MTG <7806>  1,350円  -161 円 (-10.7%)  本日終値

MTG<7806>が大幅安で3日続落し年初来安値を更新した。13日の取引終了後、19年9月期第2四半期(1~3月)の四半期報告書の提出期限について、7月12日まで再延長を求める承認申請書を関東財務局に提出したと発表しており、これが売り材料視された。本来の提出期限は5月15日だったが、その後6月14日に延期しており、今回は再延長の申請となる。中国子会社における不適切な会計処理の調査を行う第三者委員会で、中国向け越境EC(電子商取引)事業での取引について、不適切会計処理の疑いが新たに認識され、第三者委員会による追加的な調査を実施するため。

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