【投資部門別売買動向】海外勢の売越額が急減、自社株買いは続く (6月1週)

市況
2019年6月15日 6時50分

●日経平均が5週ぶりに反発する中、海外勢の現物と先物の合算売越額が急減、高水準な自社株買いは続く

東証が13日に発表した6月第1週(3日~7日)の投資部門別売買動向によると、米株高と円高一服を追い風に日経平均株価が前週末比283円高の2万0884円と5週ぶりに反発し、令和に入って初めて上昇したこの週は、自社株買いが中心とみられる事業法人部門が9週連続で買い越した。買越額は1725億円と前週の1947億円から減少したものの、高水準が続いた。投資信託部門も2週連続で買い越し、買越額は542億円だった。

一方、海外投資家が5週連続で売り越し、売越額は1143億円と前週の2838億円から大幅に減少した。海外投資家は先物の投資部門別売買動向でも日経平均先物とTOPIX先物の合計で6週連続で売り越したが、売越額は前週比83%減の394億円にとどまった。現物と先物の合算売越額は1538億円と前週の5157億円から急減しており、海外投資家の売りがピークアウトした可能性がある。個人投資家は3週ぶりに売り越し、売越額は971億円だった。個人投資家は利益確定売りに動いたようだ。

日経平均が5週ぶりに反発する中、海外投資家の現物と先物の合算売越額が急減し、高水準な自社株買いが続いた。

■投資部門別売買代金差額 (6月3日~7日)

東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全49社)]

※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

  海外投資家 信託銀行 個人合計 [  現金  信用 ] 日経平均 ( 前週比 )

6月 ―――

第1週    ▲1,143    153   ▲971 [  ▲459  ▲512 ] 20,884円 ( +283 円)

5月 ―――

第4週    ▲2,838    692   1,122 [   476   646 ] 20,601円 ( -516 円)

第3週     ▲799   ▲424    585 [   15   569 ] 21,117円 ( -132 円)

第2週    ▲1,173    56   ▲397 [  ▲668   270 ] 21,250円 ( -94 円)

第1週     ▲191   ▲659   3,690 [  1,820  1,869 ] 21,344円 ( -913 円)

4月 ―――

第4週     3,079   ▲436   ▲419 [ ▲1,107   688 ] 22,258円 ( +58 円)

第3週     5,534    239  ▲3,117 [ ▲2,607  ▲509 ] 22,200円 ( +330 円)

第2週     1,214    343   ▲45 [  ▲689   643 ] 21,870円 ( +63 円)

第1週     6,227    617  ▲5,576 [ ▲4,032 ▲1,543 ] 21,807円 ( +601 円)

3月 ―――

第4週     ▲744    49    742 [   747   ▲4 ] 21,205円 ( -421 円)

第3週    ▲3,785   ▲328   ▲60 [   109  ▲169 ] 21,627円 ( +176 円)

第2週    ▲5,061   ▲796  ▲1,280 [ ▲1,157  ▲123 ] 21,450円 ( +425 円)

第1週    ▲5,688   ▲424   1,779 [   769  1,009 ] 21,025円 ( -577 円)

2月 ―――

第4週    ▲1,952    222   ▲896 [  ▲884  ▲12 ] 21,602円 ( +177 円)

第3週     ▲34   ▲734  ▲2,422 [ ▲1,936  ▲485 ] 21,425円 ( +524 円)

第2週     ▲655   1,026  ▲2,487 [ ▲1,883  ▲604 ] 20,900円 ( +567 円)

第1週    ▲1,536   ▲198    268 [  ▲331   600 ] 20,333円 ( -455 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。

※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。

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