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大化け株を四季報で探す5ブロック活用術

特集
2019年6月18日 11時40分

株探プレミアム・リポート

要注目の『会社四季報』(夏号)はこう読む~20年以上読み続けたプロに聞く~第2回

取材・文/福島由恵(ライター)、構成/真弓重孝(みんかぶ編集部)

>> 第1回目から読む

年4回発売される『会社四季報』の中でも、最も注目するのが6月に発売される夏号。今度の夏号はどこに注目し、どのように項目を見て銘柄探しをすればいいのかを、野村証券在籍時代から20年以上にわたり四季報全ページ徹底読破を続ける渡部清二さんに聞いた。

第1回目の記事では、株価チャートのテクニカル的なサインや政治経済の出来事がリーマン・ショック前夜に似ていることなどを背景に、景気がピークアウトする懸念があることを紹介した。また四季報の中から「10倍株」を探す4つのポイントを教えてもらった。

今回は、四季報を使って注目銘柄や有望テーマの探し方など、具体的な活用法を見ていこう。

■渡部清二さんのプロフィール
複眼経済塾 塾長
渡部清二前職の野村証券時代には、個人投資家向け資産コンサルティング、機関投資家向け日本株セールスに従事する。同社在籍時から『会社四季報』の全ページにわたる熟読を続けること20年以上、累計で80冊以上を読破し、現在も継続中。現職では機関投資家向けに四季報のレポーティングを行うと同時に、個人投資家向けに読み方指導などを行う。主な著書に『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(東洋経済新報社)、『日経新聞マジ読み投資術』(総合法令出版)がある。

売上高のとてつもない伸びと、「インド進出」の強烈インパクト

―― 前回の記事で、過去の経験則から日経平均株価は今後、半値になる可能性を指摘されました。しかし、「そんな相場環境でも、将来の10倍株は見つかる」ということでしたね。その候補は以下の4つのポイントをベースに探すものでした(下の図参照)。足元ではどんな銘柄がその候補と見ているのでしょうか。


■大化け株候補を探す4つのポイント

① 「成長性が高い=増収率が高い」銘柄、具体的には3期前から今期の増収率平均もしくは来期増収率が20%以上のもの
② 売上高営業利益率10%以上
③ オーナー企業であること
④ 上場5年以内

渡部: 3月発売の『会社四季報』春号のページをめくっていた時に、「えっ!」と驚かされたのが、小売店の覆面調査や販売支援などを手がけるインパクトホールディングス<6067>でした。春号時点での社名はメディアフラッグでしたが、掲載されていたコメントや業績には、まさに現在の社名と同様インパクトがありました。恐らく四季報を愛読する投資家さんの多くが、同じことを感じたのではないでしょうか?

まず目を見張ったのが今期(2019年12月期)の予想業績の急激な伸びです。売上高は3倍近く拡大するというのです。「一体何が起こったのか」とコメント欄を見ると、「インドで現地財閥と組みコンビニ事業進出、収益大きくカサ上げ」とあります(下の図)。

■『会社四季報』2019年春号に掲載されたメディアフラッグ(現インパクトHD)のコメント

メディアフラッグのコメント

同社はこれまで小売業のビジネスを支える事業を中核にしていたのですが、3月発売の春号には成長市場のインドで同社自ら小売業に乗り出すと記載されたのです。この記述を見て、慌てて同社の株価を見直すと、既に株価は動意づいていました。

乗り遅れたかと思ったのですが、たまたま一単元同社株を保有していた私は、その翌週に行われた同社の株主総会に出席しました。経営から直接、インド進出の戦略を聞き「もしかしたら10倍株になる可能性はあるかもしれない」という期待感を持てたのです。

インドでのコンビニエンスストアの普及はまだこれからの段階です。それが日本並みに普及していくことになったとしたら、彼らの人口を考えても業績のインパクトは相当なものになるでしょう。小売業は出店計画と客単価を想定して、売上高の予想をある程度立てられます。今後の成長を見通しやすいメリットがあります。

■インパクトHDの日足チャート

インパクトHDの日足チャート

―― 四季報をしっかり読んでいると、こうした「突然変異」の企業を見つけることができるのですね。

渡部: そうですね。インパクトHDは日本で進化・深化したコンビニエンスストア・ビジネスの海外進出ですが、以前から私が期待しているテーマが「ジャポニスム再来」です。その視点で注目しているのが、純国産にこだわった衣料品のブランドを展開しているTOKYO BASE<3415>や、「かんざし」や「傘」「お箸」などの和雑貨の物販や外国人向けレンタルを行う和心<9271>です。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ 次なる成長のキーワードはジャポニスム!?

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