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2019年6月17日 11時40分
特集

日経平均の半値サインは出る? 「お宝株」探しはどこに注目?

株探プレミアム・リポート

要注目の『会社四季報』(夏号)はこう読む~20年以上読み続けたプロに聞く~第1回

取材・文/福島由恵(ライター)、構成/真弓重孝(みんかぶ編集部)

足元の日経平均株価は2万円割れを回避しているが、米中貿易戦争や今秋に控える消費増税もあって先行き不透明感は拭えない。そんな状況の中で、多くの投資家が重要な情報源として注目している『会社四季報』夏号が発売になる。

「夏号は年4回発売される号の中でも、最も注意して読む号です」。こう語るのは、野村証券に在籍時代から20年以上にわたり『会社四季報』全ページ徹底読破を続ける渡部清二さんだ。最新の夏号はどこに注目するか。景気の先行き懸念が漂う中で、お宝株を探すには掲載情報のどこに注目すべきなのか。全3回にわたって紹介していく。

■渡部清二さんのプロフィール
複眼経済塾 塾長
渡部清二前職の野村証券時代には、個人投資家向け資産コンサルティング、機関投資家向け日本株セールスに従事する。同社在籍時から『会社四季報』の全ページにわたる熟読を続けること20年以上、累計で80冊以上を読破し、現在も継続中。現職では機関投資家向けに四季報のレポーティングを行うと同時に、個人投資家向けに読み方指導などを行う。主な著書に『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(東洋経済新報社)、『日経新聞マジ読み投資術』(総合法令出版)がある。

企業収益は増収減益から減収減益に向かうのか?

―― 『会社四季報』夏号が6月18日に発売されます。夏号は3月、6月、9月、12月と年4回発売される四季報の中でも、渡部さんが最も注目する号になるそうですね。

渡部: はい。上場企業の決算期は70%が3月に集中しています。3月決算企業の前期実績と今期の予想、そして四季報が独自に行う今期及び来期予想がこの夏号で出揃います。この号は内容がガラッと変わりやすく、今後の相場動向を読み取る上でも見逃せませんね。

―― そんな夏号のどこに注目すればよいのでしょうか。

渡部: まず目次をめくって最初に出てくる「夏号のポイント」です。そこに出てくる決算集計表で、上場会社合計の予想業績がどのようになるかが要注目です。3月に発売された春号によれば、来期予想は前期比3.1%の増収、7.8%の増益でした(下の囲みの赤い線)。ここでの増益とは純利益(最終利益)のことです。

■今年3月発売の『会社四季報』春号に掲載されたポイント

『会社四季報』春号に掲載されたポイント

春号で来期予想を見たのは、この時点では3月期決算の今期(2020年3月期)予想は来期予想に該当するためです。これが夏号で今期予想に入れ替わるので、夏号の今期予想が春号の来期予想からどのように変わるのかは注目点です。

その事前予想に当たる記事が、5月18日付の日本経済新聞に掲載されています。1564社の上場会社を対象とした同新聞の調査では、「今期2020年3月期の売上高は前年度比2.1%の増収、一方で最終利益は1.4%の減益」とあり、「増収減益」傾向になるとされています。

四季報の夏号では、もしかしたら、日経新聞の集計より良い数字が出てくるかもしれません。しかし、今後の傾向としては「増収減益」が進み、さらに「減収減益」に向かっていくと、私は見ています。

経験則では日経平均が半値になる可能性も

―― この夏号では、今期予想が増収減益になるのかが、まず注目点なんですね。渡部さんは常々、業績予想が「増収減益」のステージは株価のピークで、減収減益ステージは株価が下落に向かうと解説しています。ということは、上場全社の今期予想が増収減益となったら、今後は株価下落を意識しないといけないのでしょうか?

渡部: 日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの市場平均を見るとすれば、下落基調を意識したい環境にあるでしょう。私の見立てでは、景気は今後、後退期に向かい、日経平均も現在の半値程度まで調整する可能性もあると考えています。

日経平均株価の高値・安値の転換点と景気サイクル

景気サイクル別・日経平均の高値・安値と期間騰落率

過去の景気後退局面を見ると、株価がその直前の高値の半値程度まで下落する状況を繰り返しています。2008年のリーマン・ショックの時も、直近高値から60%以上もの大幅調整を強いられました。今回はここまでには至らないかもしれませんが、似た動きをするのではと警戒しています。

これまでは戦後最長の景気拡大期という大きなうねりの中で、度々の株価調整はあってもそれは「押し目」という位置づけでした。株価が下がる局面を迎えても、好調な景気や企業業績に支えられて株価は再び押し上げられるという関係だったのです。

足元の景気拡大期の中では株価が振るわない局面があっても、新しい四季報に掲載された業績見通しが「いいぞ」と思えば、「今がチャンス」とばかりに買い向かっていけば良かったのです。そして思惑通りに株価も上昇し、報われるというのが一般的な状況だったのです。

しかし、景気がピークアウトし後退に向かうと、これまでのようにはいきません。株価は実体経済の半年から1年ほど先行しますから、景気腰折れの気配を株式市場が嗅ぎ取れば全体相場は下落に向かいます。

業績と株価の動きのイメージ

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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