【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ G20通過後の東京市場、需要拡大必至の材料株に注目!
「G20通過後の東京市場、需要拡大必至の材料株に注目!」
●カギを握る米長期債利回り
日本で初めて開催されたG20が終わった。世界主要20カ国の首脳が顔を揃えるのだから、政治ショーとしては最大だ。
当然、マスコミは大いに盛り上がり、株式市場にもプラスに働く。こんな期待もあったが、正直、投資の観点からは米中首脳会談以外、特に注視したい材料はなかった。
ただ意外だったのは、G20開催前の24日から開催初日の28日にかけて、日経平均株価が横ばいの動きを続けたこと。大きなイベント前には、警戒感から売りが優勢になりやすい。ところが、今回は見送り気分が強かったものの、大きく下げることはなく、戻り高値圏をキープした。
これはなぜ?
米中首脳会談により両国の貿易協議が合意に至らずとも進展はするだろう。こんな期待感からだろうが、問題はもちろん今後になる。
週明けの東京市場では、材料出尽くしから売られるのか。それとも米中の関係改善に期待して急反発するのか。
答えのカギとなるのは、私の見方では米国の長期債利回りになる。これは現在2%前後だが、一時2%を割り込んでいた。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が金利引き下げを匂わせる発言をしたからだが、その後、利下げ観測への市場の期待感が大きいため、議長はそれに水を差す発言をしたりしている。
議長は一体どうしたいのか。基本的には現状維持だろう。しかし、トランプ米大統領は繰り返しパウエル議長の方針を批判している。最近も「私が無名の彼を議長にしてやったのに、それを忘れて根性を見せようとしてなかなか金利を下げない。私は彼を辞めさせることができる」とまで言っている。そのうえ「FRB議長にはECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁がふさわしい」とも。
大統領は酔っぱらっているんじゃないかと思えるような発言(明らかなパワハラでもある)をしているのだが、本気なのだろうから、パウエル議長は気が気ではないだろう。
かといって、大統領発言を無視しては、実際に辞めさせられる恐れもある。「自分の地位は守られている。私は残る任期の4年を勤め上げる」――こう公言はしているものの、トランプ米大統領がクビにするといった人物で、その地位を守れた者はいない。議長はあれこれとそれらしい理由をつけて利下げを実施すると見るのが自然だ。
●金利低下で米国株高なら日本株も追随へ
東京市場にとって、それはドル安・円高要因となる。決して好ましいことではないが、ここで改めて強調しておきたいのは、日本企業の多くは円高対応力ができていることである。
そのため、米金利低下により米国株が上昇すれば日経平均株価も数歩遅れて連動高する。こんな展開が見込めるため、ここでは引き続き、近い将来に需要の拡大が必至と思える材料を内包する銘柄を中心に投資しておきたい。
そこで、まずは私の大好きな銘柄の一つ、ジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> だ。 エレベータの保守管理に強い会社で、株価は堅調高を続けていたが、6月21日に高値をつけたあと失速、押し目を入れた形になっている。ここからは再浮上の確率が高いと見る。
求人や不動産など各種情報サイトの一括検索を行える集約サイト運営で収益を伸ばしている、じげん <3679> も高値からわずかに下げたところなので押し目狙いを考えたい。
アルバイト、パートに特化した採用活動代行サービスに強いツナググループ・ホールディングス <6551> も、人材関連事業部門で独自に展開しており注目だ。なにしろ、社名がよい。
歌手などタレントのファンサイト運営という異色分野で成長を続けているエムアップ <3661> も、現在、株価は戻り高値圏で足踏み中ながら、タレントへの人々の関心が薄らぐことはないので、今後も収益拡大が見込め、株価も期待が持てる。
そして、参天製薬 <4536> だ。目薬メーカーで、私も愛用しているが、この会社は目下、米国での緑内障治療機器の販売を計画している。2020年を予定しており、 緑内障治療薬に加え、治療機器も手掛けるとなると、将来の収益寄与は非常に大きい。
2019年6月28日 記
株探ニュース