今週のマーケット展望「パウエルFRB議長の議会証言に注目」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(高井ひろえ)

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2019年7月8日 9時45分

こんにちは、フィスコマーケットレポーター高井ひろえの「マネックス証券の気になるレポート」です。今週は、ファーストリテ<9983>や良品計画<7453>などの決算発表が予定されています。また、日銀短観やパウエルFRB議長による半期議会証言にも注目していきたいですね。さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、7月8日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。

まず広木さんは、先週のマーケット展望について、『もちろん完璧な予測などできるわけがないが、先週のマーケット展望はかなりいい線をいっていたのではないか、と一人悦に入っている』と振り返っており、『先週の展望では、日銀短観で大企業製造業の景況感が2四半期連続で悪化の見込みだが、想定の範囲内なら相場への影響は限られるだろうと述べたが、実際その通りだった』と伝えています。米国のISM製造業景気指数については、『先行指標とされるシカゴPMIとの間に実はあまり相関がないことを述べた。果たして、シカゴPMIは大幅に悪化したものの、ISMの低下は限定的で市場予想を上回った』としています。

雇用統計については、先週のマーケット展望で『全米の雇用全体からみれば製造業の割合は低い。ISMが昨年夏でピークを打って低下基調にある中でも、雇用者数の前月比は大きく伸びたり落ち込んだりとISMと無関係に増減してきた。今回も前回低調だった反動で市場の予想通り18万人程度の増加となるのではないか。そうなれば過度な利下げ期待は修正されるだろう』と予想していました。

実際には『18万人増どころではなかった。非農業部門の雇用者数は22万4000人増と5月の7万2000人から回復し、市場予想も大幅に上回った』と伝えています。そして、これを受けて利下げ観測も後退し、『「フェドウオッチ」による7月の利下げ確率は一時100%を割った。10年債利回りは一時2.06%と前日比11bps上昇する場面があった』と説明しています。

一方で、想定外だったのは、『株価が意外にしっかりしていたこと』であり、『これは前に書いたことだが、市場はとにかくFedが利下げしてくれればよしとしているところがあって、年3回とか一気に50bpsとかはこの先、いくらでも修正可能とみているのだろう』と分析しています。

続けて、『先週末の雇用統計の結果を受けて、7月のFOMCで50bps利下げするという確率はさすがに減ったが、利下げ確率自体は依然100%である。だから、株式市場の下げも小幅にとどまったのだろう』と考察しています。一方、『ドル円は一時108円60銭まで上昇した』と伝えており、『米国株が崩れず、為替が円安に動くのは日本株にとっての追い風だ』と指摘しています。

今週、最も注目されるのは『10、11日のパウエルFRB議長による半期議会証言』であるといいます。広木さんは『この議会証言の基になる金融政策報告書(ハンフリー・ホーキンス報告書)はすでに公表されており、そこには「経済成長の持続へ適切な行動をとる」と明記されている。これ以上の踏み込んだ発言や利下げタイミングに関する示唆があるかなど、見所は多い』とみています。

また、今週は、『良品計画(7453)、ローソン(2651)、ファストリ(9983)など小売りや安川電機(6506)の3~5月決算発表がある』として、『先週発表されたニトリ(9843)の決算は市場予想を小幅ながら上回り株価は5ヶ月ぶり高値に上昇した。ニトリのケースは中国販売の回復期待という個別要因があるものの、大型連休効果や国内既存店売り上げの堅調さなどは他の小売りにも期待できるだろう』との見解を述べています。日銀短観については、『製造業は悪いが非製造業の景況感は悪くない。小売りの決算に期待したい』と示唆しています。

今週の動きについては、『米国株と為替次第で2万2000円の大台を試す場面もあるだろう』として、予想レンジは『2万1500円~2万2100円』とみています。

参考にしてみてくださいね。

高井ひろえの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを高井ひろえの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ

《HH》

提供:フィスコ

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