11日の米国市場ダイジェスト:NYダウ227ドル高、トランプ政権の薬剤費巡る方針撤回で明暗
■NY株式:NYダウ227ドル高、トランプ政権の薬剤費巡る方針撤回で明暗
米国株式相場はまちまち。ダウ平均は227.88ドル高の27088.08、ナスダックは6.49ポイント安の8196.04で取引を終了した。昨日のパウエルFRB議長による議会証言を受けて、利下げ期待が強まり買いが先行。トランプ政権は製薬会社が薬剤給付管理(PBM)企業に支払っている割戻金(リベート)を禁止する方針を撤回したことから医療保険やPBMが買われる一方で、製薬銘柄には売りが広がった。ダウ平均は27000ドルの節目を上回り過去最高値を更新。セクター別では、ヘルスケア機器・サービスや運輸が上昇する一方で医薬品・バイオテクノロジーや不動産が下落した。
PBM事業を持つ医療保険のユナイテッドヘルス(UNH)やシグナ(CI)、薬剤給付管理会社のCVSヘルス(CVS)が軒並み上昇。一方で、メルク(MRK)やファイザー(PFE)など製薬企業に方針撤回による失望売りが広がった。航空大手のデルタ航空(DAL)は、決算内容が好感され堅調推移。米長期金利の上昇で、ゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が上昇。家庭用品小売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)は、既存店売上高が予想以上に悪化し下落した。
フランス上院でアマゾン(AMZN)やフェイスブック(FB)、アルファベット(GOOGL)などハイテク大手企業を対象とした「デジタル課税」法案が可決された。米通商代表部(USTR)が調査を開始しており、トランプ政権が何らかの制裁措置を講じる恐れがある。
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■NY為替:ドル強含み、米6月CPIは予想を上回る
11日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円04銭から108円53銭まで上昇し、108円49銭で引けた。米国の6月消費者物価指数(CPI)は予想を上回ったほか、週次新規失業保険申請件数も3カ月ぶりの低水準となった。さらに、米30年債の入札結果を受けて米債利回りが上昇し、ドルの買戻しが優勢となった。
ユーロ・ドルは、1.1286ドルから1.1245ドルまで下落し、1.1253ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨で追加緩和の可能性が確認されたほか、国際通貨基金(IMF)が域内経済のリスクを指摘したため、ユーロ売りに拍車がかかった。ユーロ・円は、121円82銭から122円15銭まで上昇。NYダウの上昇を受けてリスク選好の円売りが加速した。ポンド・ドルは、1.2571ドルから1.2509ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9847フランから0.9905フランまで上昇した。
■NY原油:小幅安で60.20ドル、ドル高を意識した利食い売りも
NY原油先物8月限は小幅安(NYMEX原油8月限終値:60.20 ↓0.23)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比-0.23ドルの60.20ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは60.14ドル-60.94ドル。前日に続いて原油在庫の減少を意識した買いが入ったが、ドル高を意識した利食い売りも観測されてり、原油先物は伸び悩んだ。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.36ドル +0.34ドル(+1.17%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.18ドル +0.87ドル(+2.01%)
ゴールドマン・サックス(GS)211.35ドル +5.38ドル(+2.61%)
インテル(INTC) 48.60ドル +0.39ドル(+0.81%)
アップル(AAPL) 201.75ドル -1.48ドル(-0.73%)
アルファベット(GOOG) 1144.21ドル +3.73ドル(+0.33%)
フェイスブック(FB) 201.23ドル -1.50ドル(-0.74%)
キャタピラー(CAT) 133.96ドル +1.32ドル(+1.00%)
アルコア(AA) 22.50ドル -0.11ドル(-0.49%)
ウォルマート(WMT) 113.92ドル +0.94ドル(+0.83%)
スプリント(S) 6.91ドル -0.25ドル(-3.49%)
《SF》
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