檜和田浩昭氏【最高値街道の米株を横目に閑散、日本株の先行きは】(2) <相場観特集>

特集
2019年7月16日 19時45分

―梅雨明け期待もエネルギー不足続く、ここでの投資手法―

3連休明けとなった16日の東京株式市場は、終始売り優勢の展開を余儀なくされた。米国株市場ではNYダウナスダック総合指数の最高値更新が続いているものの、なかなかこれにキャッチアップできないでいる。売買代金に反映されるように市場参加者不足が拭えない東京市場だが、ここは買い場と見るべきなのか。梅雨明け相場への期待が高まるなか、ここからの展望や物色の方向性について先読みに定評のある市場関係者2人に聞いた。

●「決算発表を確かめる展開、5G関連など注目」

檜和田浩昭氏(東洋証券 投資調査部部長)

東京株式市場は、今月下旬から本格化する決算発表を確認しながら方向感を定める展開となりそうだ。

4~6月期決算は、米中貿易摩擦の影響などを探ることになる。決算の業績見通しは保守的な内容が見込まれるが、そのなかでも実態が良好な企業や自社株買いなどで株主還元に積極的な企業などを物色する展開となりそうだ。

直近の工作機械受注や機械受注はさえなかったほか、中国の4~6月期国内総生産(GDP)も前年同期比6.2%増と1992年以降で最低の伸びとなった。世界的な景気減速懸念がくすぶるなか、今後も18日に発表される貿易統計や海外調査会社が公表する製造業PMIなどに注目する展開は続きそうだ。

チャート的に日経平均株価は、週足一目均衡表の雲の上限である2万1710円前後に上値を抑えられる格好となっている。

こうしたなか、今後1ヵ月間程度の日経平均のレンジは、2万1200~2万2200円前後を見込む。日経平均は決算発表までは横ばい基調となりそうだ。

株式市場の個別株のテーマとしては、「5G」「キャッシュレス決済」などを物色する動きが続きそうだ。また、都市再開発やインバウンドにも絡む私鉄など電鉄株も注目できる。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)

1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長、マーケット支援部長を経て現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

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