【植木靖男の相場展望】 ─ 金ETF、REITなどの投資も面白い

市況
2019年7月14日 9時15分

「金ETF、REITなどの投資も面白い」

●“壁”突破に手こずる日本株

日経平均株価は目下、上か下かを巡ってギリギリの攻防戦が続いている。

いうまでもなく、株価は騰がったり、下がったりする。そして、騰がるときも下がるときも常に抵抗帯ともいうべき壁が存在する。

6月以降の上昇相場でも、いま7月2日の高値2万1754円という壁に挑んでいる(終値ベース)。ここを突破すれば、4月高値の2万2307円を目指すことになる。さらに、ここを突破すれば2018年10月高値の2万4270円という最後の壁にチャレンジすることになる。

さて、目下、7月2日高値の2万1754円、これは6月以降の上昇相場で自らがつけた壁であるが、この壁の突破に手間取っている。

抜けるか抜けないかは、近々明らかになるが、高値からすでに8営業日が過ぎている。本来強い上昇相場なら、このあたりで8日も日柄をかけることはないのが一般的。ただ、海外ファンドの日本株買いも7月第1週は僅かだが買い越しに転じてきている。

一方、環境面からみたらどうか。6月以降の上昇をもたらしたのは、いうまでもなく米国利下げ期待と米中貿易戦争の一時休戦だ。

米金利については、パウエルFRB議長の証言で7月利下げはほぼ間違いなし、となった。市場はこれを受けて、10日にNYダウは76ドル高となった。だが、驚いたのは、その翌日も急騰して2万7000ドル台に乗せて史上最高値を更新した。つまり、利下げ観測がなおも市場を突き上げているのだ。相場は本来サプライズな材料に反応する。だが、米利下げは、まだ株価に織り込まれていないのか。

ともあれ、景気好況下の利下げという過去に例の少ない状況をどう見れば良いのか。一部で予防的利下げという声もあるが、違和感は拭えない。

●主役不在の戻り相場、視点を変えると…

さて、当面は物色をどう見るか。はっきりしているのは、いまは戻り相場であることだ。したがって、はっきりした主役となる業種は見当たらないのが現状である。戻り相場だけに出来高が少ないのは定石。したがって、中小型株が中心となるが、確かに新興市場にも徐々に人気が戻りつつあるようだ。

今回は、これまでと視点を変えて銘柄を考えてみたい。

ひとつは REITだ。オリックス不動産投資法人 <8954> [東証R]。現在、資産のなかで最も人気があるのがREITである。多分、9月頃までは上昇が続く公算があろう。

もう一つは、SPDRゴールド・シェア <1326> [東証E]だ。いうまでもなく、金のETFだ。金は、長らく1オンス=1250~1300ドル前後で底固めを続けてきたが、ついにここへきて急激な上昇をみせ、いわゆるもみ合い離れとなった。年末までには1オンス=1350~1400ドルに到達しよう。

株式でいえば、HOYA <7741> 、JCRファーマ <4552> などに注目したい。

2019年7月12日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.