すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 ろくすけさんの場合-最終回
お楽しみ投資なのに、半年で660万円の含み益を生んだ技
登場する銘柄
やまみ<2820>、アリアケジャパン<2815>、アクシーズ<1381>
金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。
投資歴約20年の元サラリーマン投資家。現在は専業。「多くの人がまだ気づいていない潜在的・本源的価値を見出す」をモットーに企業研究に励み、長期投資を志す。2008年サブプライム問題での相場低迷時に日本株の割安感に着目。投信積み立てから個別株に軸足を移して以降、一歩一歩資産拡大を遂げている。現在の運用資産額は約3億円で、この他にキャッシュで買った自宅も保有。
「10年で2倍を目指していたら、10倍になってしまった」ろくすけさん(ハンドルネーム)のシリーズは今回が最終回になる。締めくくりは、お楽しみ狙いで投資したのに1年もたたないうちに約660万円の含み益をもたらしてくれた「地方お楽しみ投資」枠の話を紹介する。
多くの個人投資家と同様に、ろくすけさんも投資のストレスを緩和するのを目的に「お楽しみ」で保有している銘柄がある。「お楽しみ投資」の代表格に株主優待があるが、ろくすけさんの場合は「地方銘柄」だ。地方で開かれる株主総会などに出席がてら、趣味の旅行を兼ねられるようにと選んだ銘柄だ。
その一角を占めるのが畜産系エキスを製造するアリアケジャパン <2815> だ。選んだ理由の1つは、長崎県で株主総会があること。同社は東京都に本社を置くが、発祥の地は長崎県。今年6月に行われた株主総会は、長崎県佐世保市に隣接する佐々町にある同社の九州第2工場で開催された。
もちろんろくすけさんは出席。同時に開かれた工場見学をしたあとに、佐世保や雲仙、島原の県内各所に足を伸ばし、温泉や地域の名産を堪能した。
■アリアケジャパン <2815> の株主総会と工場見学で訪れた長崎県
注:アリアケジャパンの工場(左上)と佐世保で食べたあじ(左下)、観光で訪れた島原市の湧水庭園「四明荘」
アリアケジャパン <2815> を含め、ろくすけさんが「地方お楽しみ」枠で保有している銘柄は足元で11。その一覧が下の表だ。
表の左部分に示しているように11銘柄を保有する目的は、大きく2つに分かれている。1つはアリアケジャパン <2815> を含む上の3つで、これらは当初の「お楽しみ」に値上がり期待も加わっている。保有株数はいずれも1000株以上になる。
上から4番目にある全国各地の製菓会社を傘下に抱える寿スピリッツ <2222>以下の8銘柄は、地方での株主総会出席をメーンとしたお楽しみ主体。保有株数は最低売買単位の100株に留めている。
表を見て分かるように、今年6月末時点で11銘柄中10銘柄が含み益を出している。全体のパフォーマンスは半年程度で30%増になっている。保有銘柄の多くは今年5月以降だが、総じて全体相場が冴えない中で絶対リターンをゲットしている。
その理由は、地方に行ければ何でも良いと選んでいるわけではないから。ではどのようにお楽しみ銘柄を選んでいるのかを、次のページから見ていこう。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。