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すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 今亀庵さんの場合-第3回

特集
2019年8月8日 11時40分

お宝の成長期待銘柄はこう探す、4つの戦略別に徹底解説!

登場する銘柄

レーサム<8890>、サンフロンティア不動産<8934>、BEENOS<3328>、デジタルガレージ<4819>、宮越ホールディングス<6620>、ネクシィーズグループ<4346>、アルテリア・ネットワークス<4423>

筆者:福島由恵
金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。

今亀庵今亀庵さん(ハンドルネーム・60代・男性)のプロフィール:
リーマン・ショック直後の2009年から、退職金から2000万円をREITに投入してわずか1年で億り人に。その後、割安日本株に集中投資、アベノミクス相場の追い風もあり保有資産を最大40億円(不動産を含む)にまで膨らませた「すご過ぎる」腕の持ち主。運用資産を200倍に膨張させたのは退職後だが、投資は大学生時代から経験を積み重ねてきた超ベテランの投資家だ。株で稼いだ利益で10億円の不動産を購入後も日本株投資を続け、足元の運用資産は20億円になる。

第1回目の記事を読む

第2回目の記事を読む

前回の記事では、今亀庵さん(ハンドルネーム)が狙う成長株について以下の4つ

①(30%以上の利益成長が見込める)高成長重視型

②材料重視型

③テーマ重視型

④逆張り型

――に分類して銘柄選択を行いウォッチしていることに触れた。

第3回目の今回は、長期的に有望視する不動産セクターの相場観や、具体的な銘柄選びの着眼点について4つの分類別に紹介していこう。

世界景気の悪化懸念で株価が不振の不動産、半導体、機械に注目

投資で40億円もの資産を築いた今亀庵さんの銘柄選択術は意外にシンプルかつアナログ的で、とにかく「業績の伸び」にこだわるということ。その根底には、半世紀近くの投資経験や蓄えてきた知識から、「長期的には、株価は業績に連動して動く」という信念がある。

思考法はシンプルだが、それだけが唯一というわけではない。これまでの記事で触れてきたように今亀庵さんの投資スタイルの特徴は「常識を疑う」。常識に支配されて思考を停止するのではなく、思考を柔らかくして目の前の状況を分析する。

その典型が第1回目の記事で紹介したように、世界中の株式市場が総悲観にあったリーマン・ショックの後に、多くの投資家がほぼ見捨てていた状態のREIT(不動産投資信託)の中から、割安成長銘柄を選択した。

そのスタイルは今も健在で、投資家仲間に注目銘柄について意見交換するときには、「え、そんな銘柄あったっけ?」と他の人の視界に入っていないものに目を付けていることがしばしばある。「脚光を浴びていない場所にこそ、お宝株が隠れている」という考えは、今亀庵さんのこれまでの数多くの成功のカギとなっている。

では、現在の注目&保有中の銘柄はどんな着眼点で選んだのだろう。2回目の記事で紹介した「成長株」「材料株」「テーマ株」「逆張り株」の4つのカテゴリ別に見ていこう。

■今亀庵さんが注目する成長株の4つのカテゴリとその保有株の一例

今亀庵さんが注目する成長株の4つのカテゴリ

まず、最大の特徴である「常識を疑う」に最も当てはまる逆張りに焦点をあてよう。この戦略に基づいて足元で注目しているセクターは、世界景気への懸念の高まりなどで株価が低迷している不動産や半導体、機械セクターになる。

ネガティブ材料が続出する不動産に期待が剥落しないのはなぜ

特に狙いを付けるのは、近年、融資資料の改ざんや、建築基準法違反などの深刻な不祥事が相次ぎ、業界としてマイナスイメージが定着しているように思える不動産関連だ。「2020年の東京五輪の後は需要が剥げ落ち不動産市況は落ち込む」という声が支配的ではあるが、今亀庵さんは、今や国際都市として発展しつつある日本において、不動産市況が簡単に不況に陥ることはないという見方をする。

国内の不動産市場は人口減少に伴う需要減が懸念されている。これに対して今亀庵さんは、独居世帯は増加していること、また人口は減っても1人当たりが使う面積が増える可能性もあり、必要とされる不動産自体は減らないと想定している。

加えて、今後日本でビジネスや留学をしたいと望む外国人が増えるのではと言う期待感も大きい。これは今亀庵さん自身が米国で暮らした経験から感じていることで、当時も、初めは観光で訪れた外国人が米国を気に入ってその後居住に移行するケースが多く見られたという。訪日外国人が増えつつある中、東京五輪でさらに日本ファンが増え、日本でも米国と同様の動きがあってもおかしくないと想定する。

また今後、団塊の世代と言われる70代のシニア層の相続対策にも関心が高まる時期となるのも追い風だ。節税メリットが大きい不動産を使ってのビジネスが盛り上がることは不動産市場にはプラス材料になる。

見立てが外れても、いずれ株価が反応する銘柄は登場する

仮にこうしたプラス要素が機能せず、不動産業界が全体として振るわない時期が続いたとしても、その中から実力のある優良企業を探せば、個別ではいずれは評価される時期がやってくるという見方もしている。

今のうちからいいものを拾っておきさえすれば、セクターに対する市場の評価がネガティブでも、優良銘柄ならいつかは評価が覆る。また市場が考えるほどセクターに対する見立てが悪くないとうセンチメントになれば、優良銘柄に対する期待感はさらに高まる可能性がある。今亀庵さんが足元で逆張り的に不動産関連に注目するのは、こうした成功シナリオを幾重にも展開させた上での判断なのだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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