4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 30社選出 <成長株特集>

特集
2019年8月15日 19時45分

3月期決算企業の20年3月期第1四半期(4-6月)決算がほぼ出そろった。本特集では、時価総額600億円以上の銘柄を対象に、直近3ヵ月実績である4-6月期(第1四半期)に経常利益が前年同期と比べて倍増した30社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表は四半期ベースの「増益連続期数」、4-6月期(第1四半期)経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。

増益率トップとなった商船三井 <9104> の19年4-6月期(第1四半期)経常利益は前年同期の2.5億円から140億円に急拡大して着地。同社、日本郵船 <9101> 、川崎汽船 <9107> のコンテナ船事業を統合したオーシャン・ネットワーク・エクスプレスが不採算航路の減便やコスト削減で黒字化したことに加え、エネルギー輸送事業の採算改善も利益を押し上げた。

 2位に入った日新電機 <6641> の4-6月期は高精細フラットパネルディスプレー製造用イオン注入装置が好調だったほか、国内企業や中国・台湾の電力会社向けに電力機器の販売が伸びた。また、製品採算の改善や原価低減を進めたことも寄与し、経常利益は前年同期比15倍の11.1億円に膨らんだ。

3位のニチイ学館 <9792> は英会話教室「COCO塾」事業からの撤退に伴い、教室の家賃や広告宣伝費などが減少し、教育部門の赤字が大幅に縮小したことが利益拡大の主因となった。また、収益柱の医療関連部門、介護部門の業績が伸びたことも大幅増益に貢献した。4-6月期は4四半期連続となる2ケタ増益を達成している。

4位の三機工業 <1961> は産業空調などを手掛ける建築設備事業で手持ち工事が順調に進み、売上高、経常利益ともに閑散期である4-6月期の過去最高を記録した。決算発表と併せて、発行済み株式数の3.36%に相当する200万株(金額で29億円)を上限とする自社株買いと200万株の自社株消却を実施すると発表。株主還元にも積極姿勢をみせている。

5位の野村ホールディングス <8604> は米州を中心に債券関連収益が拡大し、ホールセール部門の税引き前損益が前年同期の74億円の赤字から200億円の黒字に急浮上した。また、傘下の資産運用会社アメリカン・センチュリー・インベストメンツの損益改善も寄与し、4-6月期の税引き前利益は前年同期比5.5倍の748億円と業績高変化を遂げた。

8位のゴールドクレスト <8871> は新築マンションの引き渡し戸数が大幅に増加し、4-6月期の売上高は前年同期比2.9倍の182億円、経常利益は同4.9倍の81.9億円といずれも急拡大して着地。第1四半期経常利益の通期計画(91億円)に対する進捗率は90.1%に達しており、業績上振れが有望視される。

9位にリストアップされた日本調剤 <3341> の4-6月期は医薬品の販売増加に加え、収益性を重視した販売戦略や販管費を圧縮したことも奏功し、医薬品製造販売事業の収益が拡大した。また、主力の調剤薬局で新規出店の店舗を中心に処方せんの枚数や単価が上昇したほか、医療従事者派遣・紹介事業で旺盛な人材ニーズを取り込んだことも業績を押し上げた。

11位のLIXILグループ <5938> は好調な国内需要や新商品投入を背景にサッシやエクステリア、インテリア建材などの販売が増勢だった。コスト削減や販管費の抑制に加え、関連会社の持ち分処分益を計上したことも利益を大きく押し上げた。第1四半期経常利益(208億円)の通期計画440億円に対する進捗率は47.4%と高水準であり、業績上振れが視野に入っている。

 ┌ 経常利益 ┐   増益  対通期 予想

コード 銘柄名    増益率 4-6月期 連続期数 進捗率  PER

<9104> 商船三井    5480  14007     2  28.0  7.2

<6641> 日新電     1444   1112     3   7.9 12.4

<9792> ニチイ学館   1032   1574     4  14.3 15.9

<1961> 三機工      495   547     3   6.1 11.6

<8604> 野村       448  74806     1   -   -

<6370> 栗田工      447  10375     1  34.4 14.2

<6741> 信号       419   410     5   4.8 12.9

<8871> ゴールドクレ   389   8199     2  90.1 11.3

<3341> 日本調剤     330   1710     2  24.2 14.2

<1946> トーエネク    318   1963     1  21.6  8.3

<5938> LIXILグ   270  20872     1  47.4 33.9

<6460> セガサミー    245   2372     3  10.3 20.1

<9468> カドカワ     228   3643     1  58.8 24.7

<6651> 日東工      206   1785     1  19.8 13.3

<9987> スズケン     199   6211     4  18.9 24.1

<9984> SBG      194 1682344     7   -   -

<9715> トランスコス   169   1271     2   -   -

<7421> カッパクリエ   148   412     2  27.5 92.7

<7241> フタバ      147   3181     2  33.5  8.5

<1835> 東鉄工      133   1532     4  11.8 11.5

<6744> 能美防災     133   1098     2   9.0 16.3

<9832> オートバクス   129   1358     3  15.6 23.4

<3107> ダイワボウ    118   5427    16  24.1  6.0

<6035> IRジャパン   115   1241     3  57.7 48.1

<8056> ユニシス     109   3719     5  16.3 20.4

<4680> ラウンドワン   107   2341     2  20.2 23.2

<9502> 中部電      104  80580     2  43.6  6.9

<1860> 戸田建      103   9749     2  29.7  7.6

<5440> 共英製鋼     102   4324     6  41.2 11.2

<9531> 東ガス      101  48390     2  40.3 13.8

※経常利益の単位は百万円。

※「-」:通期の経常利益もしくは最終利益が非開示のため、算出していません。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.