【杉村富生の短期相場観測】 ─ 意外に打たれ強い日本の株式市場!
「意外に打たれ強い日本の株式市場!」
●暴落日の“赤札”(逆行高)銘柄を狙え!
日本の株式市場は意外に打たれ強いではないか。8月14日の NYダウは800ドル安と急落したが、15日の 日経平均株価は259円安と、しぶとく踏みとどまった。瞬間安値は471円安の2万0184円だった。8月6日のザラバ安値2万0110円を上回っている。
6日の急落は前日のNYダウ767ドル安を受けたものだが、5日のVIX(恐怖)指数は24.59ポイントまで跳ね上がった。しかし、今回は21.10ポイントにとどまっている。14日のNYダウの急落はシステム売買に加え、リスク・パリティの発生によるものだろう。
逆イールドの出現を景気後退の先触れと騒いでいるが、リスクを嫌う資金が債券市場に流入した結果だろう。それに、パニックは政策の母という。FRB、ECBをはじめ、中国、インドなど主要国の多くが金融緩和にカジを切っている。危機は必ず克服される、これが歴史の教訓である。
この局面は逆行高、かつ好業績のホーブ <1382> [JQ]、グローバルウェイ <3936> [東証M]、カオナビ <4435> [東証M]、ロゼッタ <6182> [東証M]、アトラエ <6194> などを攻める作戦が有効と判断する。
●読める、トランプ大統領の行動パターン!
外部環境では引き続いて不透明感が漂っているものの、トランプ大統領の行動パターンはある程度読めるようになってきた。すなわち、彼の言動(ツイッター)はNYダウ、支持率の水準によって変わる。ちなみに、NYダウの下値メドは2万5300ドルだ。支持率は40%が下限となっている。ここに接近すると、政策は大きく転換する。6月のメキシコに対する関税(10%)の無期限停止が好例だろう。
そう考えると、9月1日の中国向けの第4弾の制裁関税は全面的に先送りされる可能性が濃厚だ。この背景には支持基盤の中低所得者層のダメージが大きいこと、年末商戦に悪影響を与えること、農業団体の反発が強いこと(結果的に、支持率が低下)などがある。
一方、思惑銘柄ではM&Aが佳境に入った日立化成 <4217> 、TOB合戦に突入しそうなユニゾホールディングス <3258> が面白い。さらに日本M&Aセンター <2127> 、キャピタル・アセット・プランニング <3965> [東証2]取得した価格(1458円)から大きく値下がりしている青山財産ネットワークス <8929> [東証2]に妙味があろう。
ユニゾホールディングスはエイチ・アイ・エス <9603> のTOBを受けているが、買付価格の3100円は安すぎる。旧常和ホールディングスだ。旧日本興業銀行系である。都心の一等地に土地(ビル)を有し、1株当たりの実質純資産は「7000円」と試算されている。
2019年8月16日 記
株探ニュース