【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 悪材一色の市場、芽吹く逆転の好材料
「悪材一色の市場、芽吹く逆転の好材料」
●景気後退に身構える投資家
私は日々、買い材料と売り材料を箇条書きに書き出している。平常時は売りと買い、それぞれ同程度の材料がある。
しかし、いまは売り材料ばかりだ。株価が上がりそうな材料は、熱心に探してもなかなか見つからない。こうなると、これでは株式投資はやりようがない。一つぐらいは買い材料があってもよいのに、それが皆無となると……。
しかし、こうした状況では一つだけ買い材料があるのだ。
市場の見方が、「売り材料(=悪材料)」ばかりに偏っている、これが「買い材料(=好材料)」となるのが株式市場だ。何も良いことがないから、それが良いというのではない。市場の見方が一つの方向に一斉に、急激に偏る。これが「買い材料(=好材料)」になる。
現在の市場が懸念しているのは、もちろん米中貿易戦争の長期化。それにより、最悪リセッション(景気後退)もあり得る。こう見ている結果、米国の債券市場で逆イールドが生じている。
逆イールドとは、すでにご承知だろうが、債券市場において通常は長期金利が短期金利よりも高いのに、逆になっている状況。景気悪化の予兆として警戒されている。サブプライムローンバブル崩壊局面で生じただけに、逆イールドに気づいただけで金融関係者たちは株式市場から資金を引き揚げ、債券市場にそれを投じる。
こうなるのが普通だ。いまはこうしたことが米国で起きている最中であり、当然、今後さらに逆イールドが加速することもないではない。
●正常運転への復帰
しかし、前述したように市場が逆イードルに対して警戒一色になった以上、ここからは逆の見方がなされるようになり、市場は次第に落ち着き、正常運転に戻る。
こうなる可能性が高いと見てよい。経済悪化の最大の懸念材料である米中貿易戦争は長引くものの、いずれ中国が米国に譲歩せざるを得なくなることも見えているからだ。
こうした状況で、どんな銘柄が有望か。まずは、これまで幾度も取り上げているオリエンタルランド <4661> がある。猛暑にも関わらず同社が運営するテーマパークには家族連れや熱々カップルたちが押し寄せている。株は高いが、続伸する確率が高い。
次も私の大好き銘柄の一つである寿スピリッツ <2222> だ。全国のご当地お菓子に強く、主要観光地で地域限定お菓子の販売増が続いている。
最近騰勢が鈍っているが、EC業者向け 決済サービスに加え、大手企業向け決済サービスにも力を入れ始めたGMOペイメントゲートウェイ <3769> 。株価は戻り歩調ではあるので、現在の水準での投資は成功する確率が高いとみる。
プレスリリース配信大手のPR TIMES <3922> は7月22日以降下げ続けていたが、とうとう下値支持線まで下げた。業績に何ら問題はないため、そろそろ蘇生が見込める。
PR TIMESほど極端ではないが、下値支持線までちょい下げしているメニコン <7780> も、ここからの大きな下げは考えづらく、これまでと同様に25日移動平均線からの反発確率が高い。やや時間がかかるが、ジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> も収益好調を支えに株価はエスカレータ的な上昇へ…だ。
2019年8月16日 記
株探ニュース