欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FRB議長講演後の長期金利や株価を注視

通貨
2019年8月23日 17時25分

23日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。注目のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による講演から目先の大幅利下げ観測が後退すれば、長期金利の上昇を手がかりにドル売りは後退。ただ、株価の伸び悩みでドル買いは失速しそうだ。

ドル・円の今月の値動きをみると、106円台が中心。前週からは特に目立ったイベントが予定されなかったため、非常に狭いレンジ内で推移している。そうしたなかでのパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演は目先の金融市場の方向性をある程度決めるとみられ、より大きなインパクトを与えそうだ。本日のアジア市場では、模様眺めのムードが広がるなか、日経平均株価の反転やNZドル・円などクロス円の堅調地合いなどを手がかりに円売りが進み、ドル・円は106円60銭台まで強含む場面もあった。ただ、重要イベント前の調整にとどまり、値動きは限定的となった。

パウエル議長による講演は、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に示した利下げサイクル入りを否定した見解を改めるかどうかが焦点。足元の強弱まちまちの指標から米国経済の減速傾向は認めがたいが、その根本要因である米中貿易戦争の長期化は確実で影響が懸念される。パウエル議長はそうした背景から、目先の継続的な利下げに含みを持たせるだろう。ドル・円は、9月の大幅利下げの可能性後退と市場が受け止めれば買いが入りやすいが、長期金利と株価への反応で複雑な値動きとなりそうだ。最終的には、株価の伸び悩みに連動しドル・円の上昇は小幅にとどまるだろう。(吉 威)

【今日の欧米市場の予定】

・21:30 カナダ・6月小売売上高(前月比予想:-0.3%、5月:-0.1%)

・23:00 米・7月新築住宅販売件数(予想:64.7万戸、6月:64.6万戸)

・23:00 パウエル米FRB議長講演(米カンザスシティー連銀主催年次シンポジウム)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.