【杉村富生の短期相場観測】 ─ 極端な見方の登場は底打ちのシグナル!
「極端な見方の登場は底打ちのシグナル!」
●いま、必要なのは「栃木のイチゴの唄」の執念!
いや~、この逸話を再び持ち出すことになろうとは……。植えて枯らして、枯らして植えて、無駄な労力の3年3月、と歌う。ご存じ(いや、あまり知られていない)、「栃木のイチゴの唄」である。株式市場では仕掛けてやられ、やられて仕掛け、無駄な労力の3月と10日、といった状況か。
終戦直後、栃木の農家の人が一念発起、イチゴ栽培を思い立ったらしい。イチゴ栽培は静岡が“北限”だった時代である。なにしろ、栃木の冬は寒い。ビニールハウスなどはなかった。まあ、国民の大半が食うや食わずの社会情勢下である。失敗の連続では批判が多かったと思う。
しかし、いまや栃木のイチゴ(とちおとめ)は全国一の生産量を誇る。決してムダな苦労ではなかった。その執念が実を結んだのだ。株式投資だって、同じではないか。マーケットには弱気の声が充満、「株価はメルトダウンを開始」とか、「トランプ大統領の再選は消えた」などと言い出す人が現れている。
大手証券のストラテジストが「日経平均株価の下値は1万9000円がらみ」、さらには「為替は1ドル=100円を指向」などのコメント(レポート)を公表している。ただ、極端な見方の出現は相場の転機になるケースが多い。そう、底打ちの強力なシグナルである。
●いまこそ、株式の魅力を再確認する時だッ!
ともあれ、日経平均の予想PER11.6倍、PBR1.02倍、東証1部の加重平均配当利回り2.63%の局面において、弱気に売る必要はない。それに、現在は世界的に超低金利時代が到来している。先進国の多くがマイナス金利だ。マスコミは「株式離れ」と騒いでいるが、いまこそ、株式の魅力(利潤証券としての価値)を再認識するべき時だろう。
だって、そうじゃないか。週刊誌が「株式の時代」などと特集記事を掲載した場面は、概ね素っ天井だ。再三指摘しているように、株式市場は3%の勝者に、97%の敗者といわれるほど苛酷な世界だ。だからこそ、少数意見に耳を傾け、信念を持って行動することが求められる。
筆者は「銘柄を絞り込め」と主張。7~8年にわたってウォッチ、企業内容(先行き)、株価の動きを熟知しているスマートバリュー <9417> の670~680円(年内の上値メドは920~930円)、青山財産ネットワークス <8929> [東証2]の1350円がらみ(同1780円)を丁寧に拾おう、と提唱している。
このほか、イノベーション(技術革新)の潮流を受け、“追い風”が吹き始めた電子ビーム装置のホロン <7748> [JQ]、プリント配線基板検査装置のインスペック <6656> [東証2]、ソフトウェアテストがメインのバルテス <4442> [東証M]などに注目できる。
2019年8月30日 記
株探ニュース