来週の株式相場戦略=環境好転で上値試す、200日線奪回へ
来週の東京株式市場は相場環境の好転を背景に、上値を試す展開が予想される。日経平均株価の予想レンジは2万800~2万1800円。
今週は米中貿易協議の開催合意が5日に伝わると日経平均株価は大幅高となり、約1カ月ぶりに2万1000円台を回復した。週前半にかけては、世界的な景気減速懸念から債券市場に資金が集中したが、週後半には過度の警戒感が薄れるなか、株をはじめとするリスク資産への見直し機運が出てきた。この流れが来週も続くかは、今晩の米8月雇用統計の結果に左右される面はあるものの、週明けにも上値抵抗線となっている200日移動平均線(2万1230円前後)を抜くようなら、上昇に弾みがつきそうだ。
特に、東京市場は「外国人を中心とするショート(売り)が膨らんでいる状態」(アナリスト)にある。裁定売り残高は過去最高水準に膨らんでおり、ショートカバー(買い戻し)を誘発しやすい状況だ。来週には週末13日にメジャーSQがあり、売り方の買い戻しを呼ぶ要因となることも予想される。
12日の欧州中央銀行(ECB)理事会では金融緩和が実施される見通しだが市場では、ほぼ織り込み済み。今月半ばの米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ見通しに変化がなければ、相場は強含みの基調が続きそうだ。
スケジュール面では、10日に中国8月消費者物価、11日に米8月生産者物価、12日に米8月消費者物価、13日に米8月小売売上高が発表される。国内では9日に4~6月期国内総生産(GDP)改定値、12日に7月機械受注が予定されている。
個別銘柄では、売り方の買い戻しで銀行や機械、非鉄など軟調展開が続いたセクターの反発が期待される。さらに、来週は10日に米アップルが新型「iPhone」を発表することが予想されるほか、国内では12~15日(14~15日が一般公開)に「東京ゲームショウ」が開催される。このためiPhoneに絡む電子部品株やゲーム関連株が物色される可能性がある。(岡里英幸)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)
最終更新日:2019年09月06日 17時45分