米国株式市場見通し:米中貿易摩擦の動向を注視

市況
2019年9月7日 14時25分

先週は、米中通商協議の再開が発表され投資家心理がやや改善したものの、10月1日には更なる追加関税の発動が予定されている。通商協議の再開に合わせて延期されることが期待されているものの、引き続き米中貿易摩擦に神経質に反応する相場展開が予想される。また、12日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催予定だが、ドイツ経済の減速などを受け、どのような金融政策を発表するのか注視したい。

今週は、現地時間の10日より開催されるアップルの新製品発表会や、これを受けた株価動向に注目が集まりそうだ。7月30日に発表した四半期決算では、ウェアラブル機器の販売が好調だったほか、サービス部門の売上が過去最高となり、iPhone販売の鈍化を補った。アップルの業績評価ではインストールベース(利用端末)の拡大によって業績が安定しているサービス部門を成長分野として評価する見方が浸透しつつあり、ニュース配信の「Apple News+」や動画配信の「Apple TV+」、ゲーム配信の「Apple Arcade」の3つの定額配信サービスの追加情報に注目が集まりそうだ。

発表会では、「iPhone XS」及び「iPhone XS Max」に広角レンズを追加した更新版と、廉価版「XR」の後継機を合わせた3つの新モデルの発売が予想されている。主要端末の価格が1000ドルを超え、買替サイクルが長期化しているほか、来年以降に次世代通信規格5G対応が控えていることもあり、新型iPhoneへの需要は昨年並みだろう。今回は新型Apple watchなどiPhone以外の新製品やサービスの発表に、より注目が集まりそうだ。

経済指標では、8月生産者物価指数(11日)、8月消費者物価指数(12日)、8月輸入物価指数(13日)、8月小売売上高(13日)などの発表が予定されている。7月の小売売上高は予想を上振れ、個人消費の堅調さが示された。一方で、8月は前回から鈍化が予想されており、大幅な減少となれば来月のFOMCでの利下げ観測が拡大するだろう。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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