19日の米国市場ダイジェスト:NYダウ52ドル安、米中高官協議を注視
■NY株式:NYダウ52ドル安、米中高官協議を注視
米国株式相場はまちまち。ダウ平均は52.29ドル安の27094.79、ナスダックは5.49ポイント高の8182.88で取引を終了した。ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)が最大400億ドルの自社株買い計画と大幅な増配を発表し、ハイテク株を中心に買いが先行。しかし、本日から開催される米中高官協議を見極めたいとの思惑から、引けにかけて上げ幅を縮小する展開となった。セクター別では、ソフトウェア・サービスや電気通信サービスが上昇する一方で自動車・自動車部品やテクノロジー・ハード・機器が下落した。
本日に新規株式公開(IPO)を実施したソフトウェア会社のデータドッグ(DDOG)は、ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(CSCO)が70億ドル超の買収提案を行っていたことが伝わり、40%近く急騰した。通信大手のAT&T(T)は、傘下のディレクTVの売却検討が報じられ売られた。一方で、レストラン運営のダーデンレストランツ(DRI)は、決算内容が予想を下振れ下落。会員制卸売のコストコ・ホールセール(COST)は、一部アナリストによる投資判断引き下げを受け軟調推移。鉄鋼大手のUSスチール(X)は、7-9月期の業績見通しを引き下げ、大幅下落となった。
経済協力開発機構(OECD)が世界経済見通しを再び下方修正した。貿易摩擦に加えて中国経済の減速や英国の欧州連合(EU)離脱をリスク要因としている。
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■NY為替:ドル弱含み、米中貿易摩擦激化を警戒
19日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円08銭まで上昇後、107円84銭まで下落して108円05銭で引けた。
米8月中古住宅販売件数や9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を上回ったことや米中貿易次官級協議を控えてクドロー国家経済会議(NEC)委員長が「ムードが和らいだ」との楽観的な見解を示したためドル買い・円売りが優勢となった。その後、サウスチャイナ・モーニング・ポストが、ホワイトハウスアドバイザーの見解として、もし、米中が貿易で合意できなければトランプ大統領が貿易戦争をさらに激化させる準備があると報じ、リスク回避の円買いが再燃。
ユーロ・ドルは、1.1072ドルから1.1039ドルまで下落して1.1040ドルで引けた。ユーロ・円は、119円56銭から119円19銭まで下落。中東の地政学的リスクの上昇がリスク回避の円買いに繋がった。ポンド・ドルは、1.2463ドルから1.2560ドルまで急伸した。ユンケル欧州委委員長が離脱期日の10月31日までに英国と合意に達することが可能だとの見解を示すと、合意ない離脱への警戒感が後退。ポンドのショートカバーが加速した。ドル・スイスは、0.9908フランから0.9942フランまで上昇した。
■NY原油:伸び悩みで58.13ドル、米中貿易摩擦激化に対する警戒感も
NY原油先物10月限は伸び悩み(NYMEX原油10月限終値:58.13 ↑0.02)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+0.02ドルの58.13ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは58.01ドル-59.54ドル。中東情勢の悪化を警戒して一時59.54ドルまで買われたが、米中貿易摩擦の激化に対する警戒感は消えていないことから、NY原油先物の上げ幅は縮小した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.82ドル -0.18ドル(-0.60%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.02ドル -0.34ドル(-0.77%)
ゴールドマン・サックス(GS)215.23ドル -1.85ドル(-0.85%)
インテル(INTC) 51.57ドル -0.17ドル(-0.33%)
アップル(AAPL) 220.96ドル -1.81ドル(-0.81%)
アルファベット(GOOG) 1238.71ドル +6.30ドル(+0.51%)
フェイスブック(FB) 190.14ドル +2.00ドル(+1.06%)
キャタピラー(CAT) 130.12ドル -0.95ドル(-0.72%)
アルコア(AA) 21.94ドル +0.27ドル(+1.25%)
ウォルマート(WMT) 117.11ドル -0.05ドル(-0.04%)
スプリント(S) 6.74ドル +0.01ドル(+0.15%)
《SF》
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