【植木靖男の相場展望】 ─ いまの短期調整局面次第で、年内相場が決まる

市況
2019年10月5日 8時00分

「いまの短期調整局面次第で、年内相場が決まる」

●再上昇への条件

日経平均株価は、8月26日の安値2万261円から9月24日2万2098円の高値までほとんど一本調子で騰げた。だが、4月高値2万2307円を目前にして挫折、再び押し戻されている。(終値ベース)

その後の経過から推して、短期調整局面に入ったことは間違いない。では、今後どういう展開が予想されるのであろうか。

まず、この短期調整局面であるが、いつ頃まで続くのか。8月から9月までの上昇期間からみる限り、経験的には10~15日間とみてよい。

先行き2つのケースが考えられる。(1)は、10月第3週あたりから調整期を経て、再上昇に転じるケース。(2)は、調整期間のあと一段安となり、2万円大台を巡る攻防の後、下落テンポを速めるケースだ。

ただ、(1)のケースでは、次の2つの条件を満たす必要があろう。

ひとつは、調整とはいえ深押しすることは許されない。過去の例からみても高値から5~6%、具体的には2万1200~2万1300円処が下値のメドか。折しも200日移動平均線が2万1200円台である。この水準を大きく下回るようであれば高値更新はきわめて難しくなりそうである。

ふたつめの条件は、調整から抜け出す際、ジリ高であってはならず、一気に陽線を重ねて高値を上抜くことが理想的である。

こうした条件が整えば、10~11月に上昇基調を辿り、2万3000円処も挑むことが可能となろう。果たしてどうか。

●最大にして唯一の株価支援材料

ところで、こうした経過を辿って上昇する理屈は何か。

市場では、利下げへの期待が強く意識されているが、利下げの株価への効果はもはやあまり期待できない。これまでの経緯をみれば、明らかであろう。

それより、やはり米中貿易協議の進展、これこそが最大にして唯一の株価支援材料ではなかろうか。これ以上、米中間の対立が長引けばお互い痛み分けとなる。そうなれば、選挙のあるトランプと選挙のない習近平では勝敗は明らかである。両者が部分的にしろ、手を握るのは早いようにも見える。

さて、物色はいうまでもなく中国関連株、ハイテク関連株であろう。牽引するのは東京エレクトロン <8035> か。超目先的には、宇宙医療関連のスタートアップ企業が日本橋に集結する平和不動産 <8803> 、25年ぶりに東証ビルの賃料を値上げしたことも好材料だ。

このほか、イーレックス <9517> 。電力販売量が増えており、ビジネスは有望だ。

2019年10月4日 記

株探ニュース

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