来週の株式相場戦略=2万2000円台回復が焦点に、米企業の決算が本格化
来週の株式相場は、日経平均株価の2万2000円台奪還なるかが焦点となりそうだ。今週は、米中通商協議への期待感から週後半に値を上げ、一時2万1800円台を回復した。米国の景気後退が懸念され、月初に急落した際に開けたチャート上のマドは埋めてきた。日経平均の予想レンジは2万1300~2万2100円。
今晩にも判明する米中通商協議の結果次第で市場のセンチメントは大きく変わる。それだけにその内容への関心は高く、15日に予定されている対中追加関税の引き上げ延期など、前向きなものとなるか、どうかがポイントだ。市場では、10~11日の米中協議に対して物別れもあり得るとの見方が強かっただけに、週末にかけ前進観測が浮上すると売り方による買い戻しが流入したようだ。
ただ、米中協議の行方に関しては依然、予断は許されない。また、同協議に前進があっても部分合意にとどまるとみられ、警戒感は残りそうだ。
日本は3連休で来週は15日からの売買開始となるが、海外を中心に注目の経済指標やイベントは多い。米国では15日のシティグループやJPモルガン・チェースなど金融機関を皮切りに決算シーズンに入る。16日にはネットフリックスとIBMが決算発表を行う。特に、16日のオランダのASMLホールディングスと17日の台湾TSMCの決算は半導体株の行方を確かめるうえで注目度は高い。更に、16日の米9月小売売上高への関心は高いほか、17日には米9月住宅着工件数と9月鉱工業生産が発表される。また、17~18日にかけて開催される欧州連合首脳会談はブレグジット(英国のEU離脱)に絡み注目されている。
国内では16日に9月訪日外客数、18日に9月消費者物価が発表される。更に、18日には東証2部にワシントンホテル<4691>、ジャスダック市場に浜木綿<7682>が株式上場する。(岡里英幸)