米国株式市場見通し:7-9月期決算が本格化

市況
2019年10月12日 15時00分

14日(月)はコロンバスデーで、一部金融機関などが休業となるものの、株式市場は通常取引となる。米中閣僚級協議で部分合意に達したことで、ムニューシン米財務長官が15日に予定されている新たな対中関税策は実施しないと発言しており、週明けの株式相場は、投資家心理の改善で大きく上昇しそうだ。一方で、17-18日にかけて開催される欧州連合首脳会談が英国のEU離脱を巡る最後の交渉と考えられており、動向を注視したい。

今週は金融セクターの決算発表が多く、JPモルガン、ゴールドマン・サックス、シティ・グループ、ウェルズ・ファーゴ(15日)、バンク・オブ・アメリカ(16日)、モルガン・スタンレー(17日)、アメリカン・エキスプレス(18日)などが予定されている。全四半期にバンク・オブ・アメリカ及びウェルズ・ファーゴは最大の収入源である純金利収入が下期に下振れすることを示唆したほか、JPモルガンは通期見通しを引き下げた。金融当局は9月に再び利下げしたことから、金融決算は軒並み軟調となりそうだ。

ハイテクセクターでは、動画ストリーミングのネットフリックス(16日)、ITサービスのIBM(16日)などの決算発表が予定されている。ネットフリックスは、4-6月期決算で契約者数が減少し大幅下落となった。ディズニーの新たな動画配信サービスが11月に開始されることもあり、今回の決算で契約者が増加しなければ、業績懸念により投資家心理が大幅に悪化するだろう。

その他は、医療保険のユナイテッドヘルスや医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン(15日)、航空大手のユナイテッド・コンチネンタル(15日)、金属大手のアルコア(16日)、複合企業のハネウェル・インターナショナル(17日)、タバコ会社のフィリップ・モリス(17日)、清涼飲料のコカ・コーラ(18日)などの決算発表が予定されている。9月にトランプ政権が味や香り付き電子たばこの販売を禁止する方針を発表したが、フィリップ・モリスが取り扱う「IQOS」は加熱式たばこであり、米食品医薬品局(FDA)の審査と認可を既に受けている。今回の規制強化で消費者の大半が代替品を求めるため、紙巻きたばこや「IQOS」の需要拡大が予想される。業績見通しに注目したい。

経済指標では、NY連銀製造業景気指数(15日)、9月小売売上高(16日)、10月NAHB住宅市場指数(16日)、9月住宅着工・建設許可件数(17日)、9月景気先行指数(18日)などの発表が予定されている。住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指数は、住宅ローン金利の低下を受け、9月分が約1年ぶりの高水準に上昇した。16日にはFOMCでの基礎資料となるベージュブック(地区連銀経済報告)の発表が予定されている。17日は中国の7-9月期GDPの発表に注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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