話題株ピックアップ【夕刊】(2):GMO、富士フイルム、ソニー

注目
2019年11月13日 15時20分

■GMOインターネット <9449>  2,176円  +143 円 (+7.0%)  本日終値

GMOインターネット<9449>が大幅上昇、一時10%を超える上げで2200円台に買われ連日の年初来高値更新となった。中小企業向けを中心にネット活用支援ビジネスを展開するが、旺盛な企業のネットインフラ需要を取り込み業績は好調に推移している。同社が12日取引終了後に発表した19年1~9月期決算は営業利益が前年同期比15%増の199億3000万円と2ケタ伸長をみせた。これを評価する形で投資資金を呼び込んでいる。EC(電子商取引)市場の拡大を背景に決済代行事業が伸びて、全体業績を牽引している。

■富士フイルム <4901>  5,180円  +309 円 (+6.3%)  本日終値

富士フイルムホールディングス<4901>は全体地合い悪のなか、商いを伴い大幅高に買われ異彩を放った。同社は12日取引終了後、20年3月期業績予想の修正を発表した。通期想定為替レートを1ドル=110円から108円に円高方向に修正した関係で売上高は減額したものの、最終利益を従来予想の1550億円から1620億円(前期比17%増)に上方修正しており、これが好感される形となった。利益増額は富士ゼロックスの完全子会社化により持ち分利益が増加することを反映したもの。

■タカラトミー <7867>  1,284円  +69 円 (+5.7%)  本日終値

タカラトミー<7867>が商いを集めて全般軟調相場に抗して3日続伸。株価は一時、前日比9.2%高の1327円と上値を伸ばした。12月の年末商戦を控えるなか、アニメ関連商品の販売好調による業績の回復色を見せる同社に市場の注目が高まっている。12日の取引終了後、第2四半期(4~9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比6.8%減の830億9200万円、営業利益が同17.6%減の58億2600万円と減収減益だったが、第1四半期の66.8%営業減益に比べるとモメンタムは大幅に改善しており、今後の業績回復を期待する形で買いが流入した。

■アイコム <6820>  2,645円  +137 円 (+5.5%)  本日終値

12日に発表した「0.67%を上限に自社株買いを実施」が買い材料。

発行済み株式数(自社株を除く)の0.67%にあたる10万株(金額で2億5080万円)を上限に、11月13日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施する。

■協和エクシオ <1951>  2,887円  +100 円 (+3.6%)  本日終値

協和エクシオ<1951>は大幅続伸。一時188円高の2975円まで上値を伸ばし3000円大台復帰を視野に入れている。通信各社の高水準の基地局投資が見込まれるなか、通信工事会社に吹くフォローの風は強い。そのなか、同社が12日取引終了後、第2四半期(4~9月)連結決算を発表。売上高は前年同期比59.8%増の2123億200万円、営業利益は同25.8%増の107億6600万円と高変化を見せた。市場予想の営業利益95億6700万円に対して1割強上回って着地しており、これがポジティブサプライズとなった。18年10月に西日本の同業3社を完全子会社化したことによる経営統合効果もあり、受注高が前年同期比63.1%増の2851億円と通期計画に対する進捗率が58%と好調だった。首都圏などの再開発需要やIT関連投資の高まりを背景に、通信やモバイル、インフラなど大型工事を複数受注したことが寄与した。

■東映 <9605>  15,440円  +470 円 (+3.1%)  本日終値

東映 <9605> が反発。12日大引け後、20年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の105億円→152億円に44.8%上方修正したことが買い材料視された。映画興行で「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」が大ヒットしたほか、版権許諾では「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」が国内外で好調だったことが寄与。併せて、通期の連結経常利益も従来予想の192億円→245億円に27.6%上方修正。減益率が26.1%減→5.7%減に縮小する見通しとなった。

■大王製紙 <3880>  1,530円  +31 円 (+2.1%)  本日終値

大王製紙<3880>は後場に入り上げ幅を拡大し年初来高値を更新。午後0時30分ごろ、20年3月期の連結業績予想について、営業利益を200億円から300億円(前期比2.5倍)へ、純利益を130億円から190億円(同4.0倍)へ上方修正したことが好感されている。売上高は5600億円(前期比4.9%増)の従来見通しを据え置いたものの、洋紙・板紙の価格修正が浸透していることに加えて、高付加価値品への販売シフトや難処理古紙の増集荷・利用拡大などの収益改善の施策を実行していることが奏功する。また、省エネを中心に工場でのコスト削減が進んでいることも寄与するという。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高2686億1800万円(前年同期比4.2%増)、営業利益124億900万円(同57.5%増)、純利益108億1400万円(同2.4倍)だった。

■太平洋セメント <5233>  3,250円  +40 円 (+1.3%)  本日終値

太平洋セメント<5233>が3日ぶりに反発。同社は12日取引終了後に決算発表を行い20年3月期の連結営業利益を710億円から640億円(前期比3%減)に下方修正した。国内セメント事業の販売量は予想を下回って推移しているほか、値上げの浸透も進捗は低いとみられている。ただ、市場には悪材料はほぼ出尽くした、との見方が強まり、株価は上昇している。

■ソニー <6758>  6,812円  +45 円 (+0.7%)  本日終値

ソニー<6758>が全体下げ相場に抗して4日続伸、連日の年初来高値更新と気を吐いている。19年4~9月期業績は、トップラインは小幅減収だったものの、営業利益は前年同期比17%増と2ケタの伸びを確保した。通期見通しについても従来予想の8100億円から8400億円に上方修正している。同社の稼ぐ力を評価する動きがマーケットにも広がっており、機関投資家とみられる継続的な買いを呼び込んでいる。スマートフォン向けイメージセンサーの需要が高水準で収益を牽引。そのなか、同社は1000億円規模の資金を投じて長崎県にイメージセンサー増産に向けた新工場を建設する構えにあり、市場でも攻めの経営姿勢を評価する声が強い。

■タマホーム <1419>  2,010円  +10 円 (+0.5%)  本日終値

12日、タマホーム <1419> が発行済み株式数の2.00%にあたる60万株の自社株を消却すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は11月29日。

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