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2019年11月12日 19時30分
特集

外国人買い活発化で要注目、株高演出の「物言う株主」銘柄総点検 <株探トップ特集>

―増配など株主還元強化の影の主役、東芝グループ再編機運でマーケットの関心高まる―

東京株式市場の上昇基調が鮮明となり日経平均株価は昨年10月につけたバブル崩壊後の高値2万4448円も視野に入ってきた。その牽引役となったのは、やはり外国人買いだ。とりわけ、日本株が低迷していた昨年年末以降も、日本株に積極的な買いを入れていたのが、アクティビストと呼ばれる「物言う株主」だ。増配や企業再編などで影の主役を務めつつあるアクティビストの動向を探った。

●東芝子会社に再編機運、JR九州の増配実施にも一役

12日の株式市場では、東芝プラントシステム <1983> 、ニューフレアテクノロジー <6256> [JQ]、西芝電機 <6591> [東証2]といった東芝 <6502> [東証2]系子会社の株価が急騰した。「東芝が上場子会社の完全子会社化を進め、親子上場の解消に乗り出す方向で検討に入った」との報道に反応した。これに対し東芝は「当社が発表したものではない」とのコメントを発表したが、今後に関して含みを残した。この東芝グループの再編思惑に関して、その背景にアクティビストの存在をみる市場関係者は多い。17年末に東芝は海外ファンドを中心に6000億円の増資を行い、経営危機を乗り切った過去がある。この際、 大株主となった一部のアクティビストは、東芝に自社株買いと同時に「選択と集中」を求めているとも報道されてきた。

また、同様にJR九州 <9142> は5日、100億円を上限とする自社株買いを発表。翌日の株価はこれを好感し大幅高となった。同社にはアクティビストの米ファーツリー・パートナーズが大株主となっており、今年の株主総会で自社株買いの実施を提案していた。同総会でファーツリー社の提案は否決されたものの、後追いで自社株買いが行われた格好だ。

●株価低迷時の割安局面で積極買い、ソニーにスピンオフ要求など

アクティビストが日本企業の大株主となり、株主還元や事業の構造改革を求める例が増加している。前述の東芝やJR九州のほか、ソニー <6758> に対しては米サード・ポイントが大株主となり半導体事業のスピンオフ(分離・独立)を要求している。また、オリンパス <7733> のようにアクティビスト系ファンドから社外取締役を迎え入れた日本企業も出てきた。特に、足もとで外国人投資家の買いが活発化しているが、アクティビスト系ファンドは日本株が低迷していた昨年末から今年前半にかけても積極的な買いがみられており、株価が割安な局面で積極買いを入れていることが分かる。

アクティビストが日本企業に狙いを定める要因には「潤沢な資金を持つ一方、株価は低位で低ROE企業が少なくなく、経営改革や株主還元の余地が大きい」(アナリスト)ことが挙げられている。また、政府が15年にコーポレートガバナンスコードを導入したことで、投資家との対話姿勢を促したこともアクティビストの日本市場への参入を進めた格好だ。

●米エリオットはユニゾHDの筆頭株主に、シルチェスターはフジHDに攻勢

そんななか、海外系アクティビストの動向として、ユニゾホールディングス <3258> の筆頭株主となった米エリオット・インターナショナルが注目されている。エリオットはユニゾHDに対して、米投資会社ブラックストーンからの買収提案を真剣に検討することを要求した。ブラックストーンはユニゾHDに対して1株5000円でTOBを開始する意向を示している。

また、旧アルパインへの投資でも知られた香港のオアシス・マネジメントは、日本企業を対象としたジャパン・ファンドを立ち上げたことも伝えられている。オアシスはサン電子 <6736> [JQ]の大株主となっている。更に、英国系のシルチェスター・インターナショナルはフジ・メディア・ホールディングス <4676> の買い増しを進めているほか、荏原製作所 <6361> や日本触媒 <4114> などへの投資を進めている。タイヨウ・ファンドはKHネオケム <4189> などの大株主となっている。

●エフィッシモはナイガイの大株主に登場、外為法改正の動きには警戒感も

国内系のアクティビストではエフィッシモ・キャピタルや村上ファンド系の「レノ」や「オフィスサポート」「南青山不動産」などの積極姿勢が目立つ。東芝の大株主にもなっているエフィッシモは、先月にナイガイ <8013> の大株主に浮上し関心を集めた。また、デクセリアルズ <4980> やリコー <7752> 、UACJ <5741> 、ニチイ学館 <9792> 、第一生命ホールディングス <8750> などの大株主となっている。

レノ」など村上ファンド系では今秋にかけヨロズ <7294> に対して買い姿勢を強めているが、買い攻勢に出ていたレオパレス21 <8848> は売り姿勢となっている。また、東芝機械 <6104> やフージャースホールディングス <3284> 、セントラル硝子 <4044> 、中国塗料 <4617> などの大株主となっている。

なお、今国会に提出された「外為法改正案」では、重要な日本日本企業に対して1%以上の株を取得する外国人投資家に事前届け出を求める方向にある。「10%以上」から規制を強化することになり、「アクティビスト排除につながる」との声も出ている。市場では国会論戦の行方も関心を集めている。

■主なアクティビスト関連銘柄

●海外系

シルチェスター      ウシオ電機、オートバックスセブン、サンゲツ

フジ・メディア・ホールディングス、荏原、日本触媒

タイヨウ・ファンド   KHネオケム、NISSHA、トプコン、そーせい、アルバック

エリオット       ユニゾホールディングス、アルプスアルパイン

ダルトン        ステラケミ、シミックHD、大成温調、レック、鶴見製

オアシス        サン電子

サードポイント     ソニー

ファーツリー      JR九州

●国内系

エフィッシモ       ナイガイ、デクセリアルズ、ニチイ学館、リコー、日産車体

UACJ、第一生命HD、サンケン、川崎汽

レノ南青山不動産など レオパレス、ヨロズ、広済堂、日本郵船、エクセル、島忠

セ硝子、フージャース、東芝機、中国塗、新光商

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