話題株ピックアップ【夕刊】(2):チタン、セルシード、応用技術
■チタン工業 <4098> 3,115円 +502 円 (+19.2%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
チタン工業<4098>が急騰、502円高の3115円と値幅制限上限に買われる人気となった。東芝<6502>とともに同社が「チタンニオブ複合酸化物電極用活物質及びそれを用いたリチウムイオン2次電池」で特許を取得したことが伝わり、これを材料視する買いが集中した。会社側では「当案件については化学工業日報で報じられたもの。現時点で当社側からリリースを出した事実はないが、東芝と共同で研究開発を進め特許申請をしていることは確か」としている。全般相場はリスク回避の流れが強まるなか、外部環境の影響を受けにくい個別材料株物色の流れに乗った形となった。
■セルシード <7776> 558円 +55 円 (+10.9%) 本日終値
セルシード<7776>は急騰。同社は医療用細胞シートの開発を手掛けるバイオベンチャーだが、20日取引終了後、米国で移植用「軟骨再生シート」の基本特許が成立したことを発表、これを材料視する形で投資資金が集中した。株価は9月中旬以降、500円近辺でのもみ合いを続けていたこともあって売り物がこなれており、株式需給面からも上値が軽い。
■応用技術 <4356> 4,390円 +400 円 (+10.0%) 本日終値
応用技術<4356>が大幅高。全体波乱相場のなか我が道を行く展開で連日の新値更新と気を吐いている。防災コンサルティングを手掛け、建築用業務関連ソフトの開発も行っている。独自の構造解析やアセットマネジメントなどで土木建築分野の需要を開拓、また防災では、地震や河川氾濫などの自然災害に対して数値シミュレーションモデルを構築するなどで優位性を発揮している。主力輸出株が売られるなか、為替や海外株市場の影響を受けにくい国土強靱化関連の有力株として買いが向かった。
■テンポイノベーション <3484> 1,780円 +157 円 (+9.7%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
20日、テンポイノベーション <3484> が12月10日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。併せて、株式分割後も株主優待制度の対象は、現行の100株以上保有を据え置くことも明らかにしている。実質的な拡充となる。
■イワキ <8095> 491円 +28 円 (+6.1%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
イワキ <8095> が急反発。20日大引け後、株主優待制度を新設すると発表したことが買い材料視された。毎年11月末時点で100株以上を1年以上継続保有する株主に対し、自社グループの化粧品詰め合わせセット3000円相当など、3コースの中から1つを贈呈するという。今年から制度を開始するとしており、27日の権利付き最終日を目前に権利取りを狙う買いなどが向かった。
■チエル <3933> 1,570円 +86 円 (+5.8%) 本日終値
チエル<3933>やテクノホライゾン・ホールディングス<6629>、ネオス<3627>などが大幅高に買われた。きょうは地合い悪のなか、内需関連株に資金が集まりやすくなっている。西村経済再生相が19日の閣議後会見で、学校で児童・生徒が1人1台のパソコンを使える環境を整えるための予算を、とりまとめ中の経済対策に盛り込むと明らかにしたと複数のメディアが報じた。これを受け、教育ICTの整備が更に加速するとの見方から関連銘柄への視線が再び強まりつつある。
■ネオス <3627> 854円 +29 円 (+3.5%) 本日終値
ネオス<3627>が大幅高。同社はきょう、くもん出版(東京都港区)が11日から提供を開始した書籍連動音声アプリ「きくもん」の開発を行ったことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。「きくもん」は、くもん出版で刊行しているドリルや絵本などをはじめとした書籍の音声を聞くことができる専用アプリ。提供開始とともに、小学生向けの英語教材「はじめての英語まるごと辞典」の音声コンテンツが利用できるようになっており、コンテンツは今後も随時追加が予定されている。
■モルフォ <3653> 2,782円 +71 円 (+2.6%) 本日終値
モルフォ<3653>は反発。同社は手振れ補正ソフトなどに強みを持つ画像処理ソフト開発ベンチャー。きょう、東芝<6502>傘下のシステム構築や画像処理装置の開発・製造などを手掛けるアジアエレクトロニクス(東京都青梅市)の画像検査装置「PRS-1100」に、モルフォの人工知能(AI)を使った画像分類技術「Morpho Deep Recognizer」が採用されたと発表しており、これが好感されたようだ。モルフォの技術は、AI導入による追加のハードウェ投資が不要で、「PRS-1100」に「Morpho Deep Recognizer」のソフトウェアを組み込むだけで高速な推論処理を実現できる点が評価された。
■ユーピーアール <7065> 10,760円 +210 円 (+2.0%) 本日終値
ユーピーアール<7065>が4日ぶりに反発。同社は20日、動力(電力モーター)付きアシストスーツ「サポートジャケットEp+ROBO」を、アサヒグループホールディングス<2502>傘下のアサヒビール吹田工場向けに10台納入すると発表。これを受けて更なる販売増などが期待されているようだ。「サポートジャケットEp+ROBO」は、動力付きアシストスーツとしては最軽量級の重量3.4キロで、最大10キロの荷役を補助するスーツ。動力が左右別々に動くことにより、縦・横・斜め各方向への作業動作を助け、人による重量物の持ち上げや運搬の作業負担を軽減することができる。
■イード <6038> 878円 +17 円 (+2.0%) 本日終値
イード<6038>が全体下げ相場のなか強さを発揮。主力輸出株に逆風が強いなか、内需の主要テーマである「5G」関連株の一角に物色の矛先が向いている。同社は自動車やIT系ニュースサイトなどを運営し、足もとの業績も20年6月期第1四半期(7~9月)営業利益が前年同期比30%増益と好調で、買い安心感がある。5G関連ビジネスにも積極的であり、コネクテッドカーなどで関係性が強まっている自動車業界と通信業界の橋渡し役を担う経営コンセプト「イード5Gモビリティ」で戦略的に収益機会を高めている。
株探ニュース