明日の株式相場戦略=米中間に不協和音、中小型株へのシフト鮮明に

市況
2019年11月28日 17時33分

28日の東京株式市場で日経平均株価は5日ぶりに小反落した。前日のNYダウは4日続伸し最高値を更新しており、この日は日経平均も年初来高値(2万3520円)の更新が期待された。しかし、この楽観論を打ち破ったのが米国の「香港人権法」成立だ。

同法の成立を受け、中国政府は「重大な内政干渉」とコメントを発表し米国への報復の姿勢を示した。この日の上海総合指数や香港ハンセン指数も小幅安にとどまった。ただし、きょうは米国が感謝祭による休場となり市場参加者は限定的だ。明日も薄商いは続くとみられる。このため、東京を含むアジア市場が、米中間の不協和音を吟味し織り込むのは来週の週明けからとなることが予想される。

「香港人権法の成立に中国は反発する姿勢を見せる必要がある。このため、12月15日の対中第4次関税引き上げ期限のギリギリまで駆け引きが続く可能性が出てきた」(市場関係者)とも指摘されている。米中の歩み寄りを前提に高値を買い上がってきた、日米の株価は当面、上値を抑えられる状況となることもあり得る。

こうしたなか、相場の物色の流れは中小型株に向かうことが見込まれている。全般軟調地合いが続いたこの日も、東証マザーズ指数 日経ジャスダック指数はともに5日続伸した。特に、東証マザーズ指数は1月の年初来高値から6%強下落した水準にあり、出遅れ感は強い。中小型株アナリストからは、中核銘柄としてSansan<4443>やUUUM<3990>、弁護士ドットコム<6027>を挙げる声が出ている。Sansanは大手証券の格上げが材料視されたが、この3銘柄はともに業績面の伸びが評価されている。

直近IPOでは、21日に東証マザーズに上場したトゥエンティーフォーセブン<7074>が相場の牽引役となっているようだ。同社はパーソナルトレーニング事業などを行っている。ギフティ<4449>やカオナビ<4435>なども注目されている。また、カルナバイオサイエンス<4572>やセルソース<4880>のようなバイオ株からも目が離せない。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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