清水洋介氏【年初来高値更新! 上昇相場は再び加速するか】(2) <相場観特集>

特集
2019年12月2日 19時45分

―12月相場は好発進、フシ目の2万3500円ライン突破―

名実ともに12月相場入りとなった2日の東京株式市場は、前週末の米株安をものともせずリスク選好の地合いとなり、フシ目の2万3500円ラインを終値でクリアしてきた。ここから一段の上昇に期待が高まる一方、目先強弱観対立で上値が重くなることへの警戒感もくすぶる。投資家はどういったスタンスで臨むべき局面か。市場第一線で活躍する識者に年末のマーケット展望及び物色の方向性を聞いた。

●「日経平均は高値圏で利益確定売りも」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

日経平均株価は年初来高値圏に浮上してきた。しかし、株価にはある程度の好材料はすでに織り込まれており、この先、利益確定売りに上値を抑えられる可能性はあると思う。

空売りが膨らんでいることから、状況次第では2万4000円近くまで値を上げる局面もあるかもしれないが、一時的で滞留期間は短いだろう。今後1ヵ月程度の日経平均の予想レンジは2万2500~2万4000円前後を見込む。中心となる価格帯は2万3000~2万3500円だろう。

中国製造業景況感指数(PMI)などが回復しているが、これは景況感というソフトデータによるものであり、実際に景気が回復していることとは異なる。また、米中通商協議の行方が注目を集めており、今月15日の米国による対中国への第4次関税引き上げは延期される可能性はある。しかし、完全な手打ちとはいかないだろう。香港デモと米国による「香港人権法」の成立は、米国と中国の歩み寄りを難しくしている面はあると思う。

12月の日経平均は調整色を濃くした昨年と同様に、今年も軟調な地合いとなる可能性があるとみている。

こうしたなか、個別銘柄では低PER株に投資妙味があるとみている。森永乳業 <2264> や日本水産 <1332> 、三菱商事 <8058> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> といった銘柄に注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)

大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.