日本調剤 Research Memo(2):3つの事業セグメントで増収増益、期初予想に対しても大幅な上振れで着地

特集
2019年12月4日 15時22分

■日本調剤<3341>の業績の動向

1. 2020年3月期第2四半期決算の概要

2020年3月期はいわゆる改定スキップ年に当たり※、薬価・調剤報酬改定の影響を受けることなく、比較的落ち着いた環境の中で収益拡大や経営体質及び各事業の競争力強化等に取り組むことを目指した。

※期初の2019年4月の改定はなかったものの、2019年10月1日からの消費税率引き上げに伴う薬価改定が行われたため、厳密には改定スキップ年ではない。しかし、2020年3月期第2四半期決算の期間については改定影響のない時期であった。

そうして臨んだ2020年3月期第2四半期決算は、売上高130,297百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益4,066百万円(同162.8%増)、経常利益4,001百万円(同216.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,094百万円(同181.2%増)と、増収かつ大幅増益で着地した。

2020年3月期第2四半期決算期は前年同期比での大幅増益のみならず、期初予想に対しても各利益項目が大幅に上回った。また、通期予想に対する進捗率の面でも、2020年3月期第2四半期は利益の進捗率が50%を大きく上回った。一般論として調剤薬局事業の収益は下期偏重の季節性があることを考えれば50%超という進捗率は非常に高いと言える。こうした状況を総合的に勘案すれば、2020年3月期第2四半期決算は、極めて順調な好決算であったと評価できるだろう。

事業セグメント別動向という点では、主力の調剤薬局事業、医薬品製造販売事業、医療従事者派遣・紹介事業の3事業すべてが増収増益となった。中身をさらに分析すると、売上構成比が2つ併せて約20%にとどまる医薬品製造販売事業と医療従事者派遣・紹介事業とで営業利益の増益額(2,518百万円)の約50%を占めたということで、3つの事業セグメント間の営業利益のバランスが従来から大きく改善した状況にある。すなわち、表面的な数値のみならず、収益構造という質の面での進捗も伴った決算であったということができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《ST》

提供:フィスコ

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