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すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 towaさんの場合-最終回

特集
2019年12月6日 11時46分


"腐りかけの肉"を狙って7倍株を手にした技

登場する銘柄

アイフル<8515>、タカタ<7312>(現在は上場廃止)、ユニゾホールディングス<3258>

構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)

towaさんtowaさん(ハンドルネーム・30代・男性)のプロフィール:
パチスロで貯めた3000万円の一部を元手に資産を10年で16倍化したバリュー投資家。現在の投資歴は約10年。比較的時間の自由が効く会社員というメリットを生かしつつ、兼業でも時間を上手にやりくりして投資に向かう。企業の資産価値に着目して割安度を計る資産バリュー投資に軸足を置き、サテライトで成長株を標的としたモメンタム投資も手掛け、着々と資産を拡大してきた。投資を本格的に始めた2008年以降、初年と2018年以外は全て運用成績は対前年比でプラス。投資開始2年目の09年は約60%、11年と13年は約80%という好成績を収めている。「努力が嫌い」と言いつつ、実は投資本を100以上も読むほど勉強熱心さんだ。

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品行方正のバリュー投資家を標榜しながら、「決算プレー」で短期のモメンタムに乗る手法を駆使するなど、打ち出すイメージとは180度異なる投資も手掛けるtowaさん(ハンドルネーム)。最終回の今回も、イメージと実態のギャップが大きい銘柄に投資したサプライズ感満載の話から紹介しよう。

その銘柄とは、消費者金融のアイフル <8515> と、自動車用エアバックメーカーのタカタで、どちらも経営危機に陥った企業。アイフルは過払い金返還請求請求の影響などから2007年3月期から9期連続の減収や複数回の赤字転落に見舞われている。もう1社のタカタはリコール問題が致命傷となり、2017年6月に民事再生法の適用を申請、同年7月に上場廃止となってしまった。

品行方正なtowaさんは、なぜこんな危ない橋を渡ったのか。もちろん退屈なバリュー投資に飽きて、刺激を求めて一か八かの勝負に打って出たわけではない。蓄えた知識を基に、感情ではなく理論に基づいて挑んだものだ。

アイフル、タカタに投資するヒントを得たのは読書から

towaさんが、この2社の株式に投資するヒントをもたらしたのが、ジョエル・グリーンブラッド氏の書籍だった。グリーンブラッド氏は10年間の平均利益率で50%の実績を上げたという米投資会社の創設者だ。

第1回記事で触れたようにtowaさんは、投資にまつわる本をこれまで100冊以上も読み込んできた勉強家。グリーンブラッド氏の著書の中には、リストラや資本の再編などのネガティブな材料の中に、利益を生む宝の山が隠れていることを指摘している。

■towaさんの本棚の一部

【タイトル】

「肉は腐りかけがおいしい」と言われるように、崖っぷちの企業ほど高リターンを味わえるという逆張りの発想だ。耳学問だけでなく、実例も目にしていた。towaさんは株式投資を始めてから、倒産寸前まで追い込まれた企業が、資産面からはあり得ないと思うような割安な株価を付けた後、大きく反転するという逆転劇を何度も見てきた。

アイフルとタカタでも最悪と思えるタイミングを買い場として、その後の反転を狙ったのだ。もちろんこの手法は、株式は紙くずになるリスクがつきまとう。実際、結果として、アイフル株の投資ではリターンを生んだが、タカタ株への投資では損失を被った。

だがtowaさんにとって、タカタ株への投資は失敗ではない。それは、前回記事で紹介したように、投資するにあたっては期待値を計算し、タカタ株の期待値はプラスと判断した上での勝負だったからだ。損失は出たものの、損失額は事前の想定内の判断に収まっている。また分散投資をしているため、タカタ株の損失で運用資産が大きく減ったわけではないからだ。

ではそれぞれの銘柄の投資では、具体的にどのような判断と行動をしたのかを見ていこう。まずはアイフル <8515> からだ。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ セブンバガー(7倍株)となったアイフル

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