欧米為替見通し:ドル・円はしっかりの展開か、ポンド・円に追随し短期的に110円も

通貨
2019年12月13日 17時25分

13日の欧米外為市場では、ドル・円はしっかりの値動きを予想する。英総選挙での保守党圧勝の見通しでポンド・円の強含みに追随。また、米中貿易協議の原則合意報道でリスク選好的な円売りが強まれば、心理的節目の110円を短期的に回復する可能性もあろう。

12日に行われた英総選挙で保守党が全650議席のうち380超を獲得する勢いとなり、2016年6月の欧州連合(EU)離脱を問う英国民投票から続くブレグジットの混乱がいったん収束するとの期待感が高まっている。本日のアジア市場では、早朝に出口調査の結果が伝わると円売り安心感が広がり、ポンド・円を中心にクロス円の買いが優勢となった。また、ドル・円は連れ高して109円60銭台まで強含んだ。

一方、米トランプ政権は対中貿易協議で原則合意に達したとし、15日に予定していた対中追加関税第4弾の発動を見送る。米中の摩擦解消に向けた動きも好感され、この後の海外市場でもリスク選好的な円売りが優勢となりそうだ。今晩発表の米小売売上高が堅調な内容となればドル・円は節目の110円を回復する可能性があろう。ある市場筋は「相場に勢いがある」とし、リスクオンのムードは週明け以降も続きそうだ。

ただ、年内の重要イベントはほぼ通過したが、ドルがさらに上値を追う展開になるとの見方は現時点で多くないようだ。今週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)でハト派寄りの政策スタンスが目立ったことが背景にある。また、本日発表された日銀短観で国内主要企業の想定為替レートは106円90銭と前回の108円50銭から円高方向に設定されている。年末に向け円高への根強い警戒はドルの重しとなるだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・22:30 米・11月小売売上高(前月比予想:+0.5%、10月:+0.3%)

・22:30 米・11月輸入物価指数(前月比予想:+0.2%、10月:-0.5%)

・24:00 米・10月企業在庫(前月比予想:+0.2%、9月:0.0%)

・01:00 ウィリアムズNY連銀総裁が大学生向けに講演(金融政策関連)

《FA》

提供:フィスコ

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