来週の株式相場戦略=IPO中心の年末相場に

市況
2019年12月20日 18時11分

来週の株式市場は、米国など海外主要市場がクリスマス休暇に入り、市場参加者も限られる。日経平均株価の予想レンジは2万3600~2万4100円。

この時期になると気になるのは、為替動向だ。薄商いのなか値の荒い展開となることも少なくなく、円高基調が警戒される。この日は債券市場で10年債の金利が9カ月ぶりにプラス圏に浮上した。金利上昇による日米金利差の縮小は円高要因となるだけに、債券と為替市場の動向には注意が必要だ。為替などに大きな変化がなければ、日経平均株価は2万4000円近辺の年初来高値圏で年内の取引を終えることが予想される。

市場には「東証1部の物色対象は半導体株などに限られ、内需株などへの広がりが見えない」(アナリスト)との見方は少なくない。日経平均株価は12月に入り2万4000円台まで上昇し年末高を演じたが、昨年10月高値の2万4448円の更新は来年に持ち越されそうだ。

こうしたなか、年内最後の「餅つき相場」はIPO株への物色が中心となりそうだ。12月IPOの目玉といわれたクラウド会計ソフトのフリー<4478>は上昇基調を強め、クラウドファンディングのマクアケ<4479>の急騰は市場関係者の注目を集めた。来週も5社のIPOが予定されている。資金吸収額は大きくない銘柄が多く堅調な値動きが予想される。23日のglobal bridge HOLDINGS<6557>はPROマーケットからの市場変更企業で保育施設・介護施設の運営を手掛ける。同じく23日のカクヤス<7686>酒類・食品などの販売を行っている。25日のWDBココ<7079>医薬品の安全性情報管理の受託サービスを手掛け、AI inside<4488>人工知能(AI)関連ベンチャーだ。また、26日のスポーツフィールド<7080>は、体育会学生の就活支援などスポーツビジネスに関連しており、資金吸収額は10億円前後で上場時の想定時価総額も20億円台と小さく値が飛ぶ可能性がある。

来週は27日に国内で11月失業率や有効求人倍率、同鉱工業生産などが発表される。25日は米国などがクリスマスで休場となる。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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