年末年始の相場で注目すべき3つのポイント:大納会・大発会、ファーストリテや安川電決算、米雇用統計

市況
2019年12月28日 19時04分

■株式相場見通し(年末年始:12月30日~1月10日)

予想レンジ:上限24350-下限23650円

大納会及び年明けの日経平均は堅調な展開が予想される。30日の大納会を波乱無く通過すれば、日経平均は12月に月間ベースで4カ月連続、年間では2年ぶりの上昇となる。1月上旬にも米中が貿易協議での第1段階の合意について署名に至るとの期待がNYダウの上昇を支えている。為替相場も小康状態が続くなか、12月末の権利落ち、実質新年相場となった27日は、市場参加者の減少から日経平均はこう着感の強い展開が継続したものの、前場段階で東証1部銘柄の7割弱が値上がりし、セクター別でも33業種中28業種が上昇と、市場のムードは暗くなかった。また、2020年は米大統領選など波乱要因を抱えているが、少なくとも年初は米中の貿易合意などを背景に上昇相場への期待が高まることになる。また、日本国内も東京オリンピック、パラリンピックの開催を控えてお祭りムードが先行しそうだ。海外情勢に大きなアクシデントがなければ、新年相場という季節性からも堅調な始まりとなりそうだ。年明けは、7日に米12月ISM非製造業景況指数、米11月貿易収支、8日に米12月ADP雇用統計と相場に影響を与える米国の経済指標の発表が控えているが、現状で波乱の芽はみられない。1月9日のファーストリテイリング<9983>の第1四半期、安川電機<6506>の第3四半期の決算発表に関心が向き、地合いを左右しそうだ。

物色的には、ファーストリテの決算のほか、消費・外食関連の決算も注目される。昨年来高値更新中の吉野家ホールディングス<9861>は10日に第3四半期決算を発表する。予想を上回る販売好調から年末年始にかけて店舗により「オリジナルチキン」が完売する可能性があると日本KFC HD<9873>が発表するなど、明るいニュースも伝わっている。このほか、27日にかけて日経ジャスダック平均とマザーズ指数が4日続伸している。IPO銘柄の初値形成には過熱感がみられたものの、1月はIPOの予定がないことから、直近IPO銘柄を含めた小型株の循環物色が展開されそうだ。また、米12月雇用統計が1月10日に発表される。11日から13日にかけて3連休となることもあり、週後半は模様眺めムードが台頭しやすくなるだろう。

年末から1月10日までの主な国内経済関連スケジュールは、30日に大納会(東京市場は31日から1月5日まで休場)、元旦に日米貿易協定と日米デジタル貿易協定が発効、6日に大発会、7日に12月マネタリーベース、8日に11月毎月勤労統計調査、9日にファーストリテ、安川電、7&I HD<3382>などの決算発表、12月国内ユニクロ売上推移速報、10日に11月景気先行・一致指数(CI)・速報値、11月全世帯家計調査・消費支出、良品計画<7453>、吉野家HDなどの決算発表が予定されている。一方、米国など海外の主要スケジュールは、元旦に米国・英国を始め主要国市場が休場、3日に米12月ISM製造業景況指数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(12月10-11日開催分)、7日に米12月ISM非製造業景況指数、米11月貿易収支、米11月製造業新規受注、8日に米12月ADP雇用統計、10日に米12月雇用統計が予定されている。

■為替市場見通し

12月30日-1月10日週のドル・円は伸び悩みか。米国株式は堅調に推移しているが、米連邦準備制度理事会(FRB)の2020年の金融政策運営はハト派寄り(緩和的な金融政策を維持)との見方が強まれば、リスク選好的なドル買いは抑制されそうだ。米中通商協議で両国首脳は1月中に会談し、第1段階合意の署名を行う見通し。米中貿易摩擦の解消に向けた動きが好感され、ドルを押し上げる要因となりうる。ただ、年明けに発表される12月ISM製造業景況指数は、経済活動の拡大・縮小の節目である50を下回る見込み。市場予想を下回った場合、企業景況感の回復の遅れを嫌気してリスク選好的なドル買い・円売りが広がる可能性は低いとみられる。

一方、12月10-11日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が1月3日に公表される(日本時間4日)。FRBは同会合で市場の予想通り政策金利の据え置きを決定。米国経済に関して緩やかなペースで拡大しているとしたものの、2020年に向け金利据え置きを示唆している。金利引き上げに慎重な意見が多くみられた場合、追加利下げへの思惑が再浮上し、ドル売り要因となろう。

■年末年始の注目スケジュール

12月30日(月):日・自動車生産台数、露・GDP(7-9月)、米・中古住宅販売成約指数など12月31日(火):国内株式市場は休場、中・各種PMI、米・消費者信頼感指数、印・経常収支(7-9月)など

1月1日(水):日米貿易協定、日米デジタル貿易協定が発効、国内外市場休場など

1月2日(木):国内株式市場は休場、中・財新製造業PMI、米・製造業PMIなど

1月3日(金):国内株式市場は休場、独・失業率、米・ISM製造業景況指数、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨など

1月6日(月):ユーロ圏総合PMI、日・製造業PMIなど

1月7日(火):日・総合PMI、米・貿易収支、米・耐久財受注、米・ISM非製造業景況指数、中・外貨準備高など

1月8日(水):独・製造業受注、ユーロ圏景況感指数、米・消費者信用残高など

1月9日(木):ファーストリテや安川電決算、豪・貿易収支、独・貿易収支、ユーロ圏失業率など

1月10日(金):豪・小売売上高、スイス・失業率、トルコ・失業率、米雇用統計など

《SK》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.