話題株ピックアップ【夕刊】(1):ソフトバンクG、東エレク、神戸物産

注目
2020年1月9日 15時12分

■三協立山 <5932>  1,382円  +135 円 (+10.8%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

三協立山<5932>が後場急伸。同社はきょう午後1時に、20年5月期第2四半期累計(19年6~11月)の連結決算を発表。営業利益は29億7500万円(前年同期比2.4倍)となり、通期計画40億円に対する進捗率は74.4%となった。売上高は1619億9600万円(同4.7%減)で着地。主力の建材事業は建設市場の停滞や前期にあった復興需要の収束などから減収となった半面、セグメント利益は販売・生産部門の収益改善や一部商品の価格改定効果を背景に増益となった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■アドヴァン <7463>  1,285円  +70 円 (+5.8%)  本日終値

アドヴァン <7463> が急伸。8日大引け後に発表した20年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比14.7%増の54.9億円に伸びて着地したことが買い材料視された。民間工事を中心とした旺盛な建設需要を背景に、建材関連事業の収益が伸長したことが寄与。デリバティブ評価益の増加なども大幅増益の要因となった。通期計画の52億円をすでに5.8%上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■三益半導体工業 <8155>  2,282円  +115 円 (+5.3%)  本日終値

三益半導体工業<8155>が急反発、昨年来高値を更新した。イラン情勢に対する懸念が後退するなか、高い成長が見込める半導体関連株に見直し買いが流入している。岩井コスモ証券は8日、同社株の投資判断「A」と目標株価2530円を継続した。新品ウエハーを研磨するプライムウエハー事業は、半導体メモリメーカーの生産調整の影響を受けているが、半導体市場拡大を背景に中長期的な成長ポテンシャルは高いことを評価している。同証券では20年5月期の連結営業利益は会社予想の57億5000万円に対して61億円(前期比8%増)と増額修正を予想。21年5月期は今期推定比28%増の78億円を見込んでいる。

■東京エレクトロン <8035>  24,485円  +1,195 円 (+5.1%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>が満を持して急反発局面に移行、きょうは1000円を超える上昇で2万4000円台を大きく回復してきた。半導体関連株は米イランの対立激化によるリスクオフの流れのなか、同社株をはじめ目先利益確定を急ぐ売りに軟調展開を強いられる銘柄が多かったが、前日のトランプ米大統領の演説で、両国の軍事衝突の可能性が低くなったことが買い戻しを誘発する格好となっている。世界的に次世代通信規格5Gが普及局面にあり、これに絡む半導体需要の喚起が期待される状況にあり、米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が最高値近辺で頑強展開を続けている。

■ソフトバンクグループ <9984>  4,797円  +214 円 (+4.7%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>は東証1部で断トツの売買代金をこなし急反発。同社が率いるビジョン・ファンドが出資する韓国のEC会社クーパンが2021年にもIPOを実施する方向で準備を進めていると米ブルームバーグ通信が報じたことが、株価の刺激材料となっている。米シェアオフィス大手ウィーワークへの投資失敗が株価の重荷となっていたが、4000円台半ばの株価は値ごろ感もあり、戻り足を見込んだ短期資金による商いが活発化している。

■神戸物産 <3038>  3,900円  +170 円 (+4.6%)  本日終値

神戸物産<3038>は大幅高で3900円台に乗せ、昨年12月18日につけた3850円を上回り上場来高値更新となった。低価格路線を強みとする食品スーパー「業務スーパー」をフランチャイズ展開しており、豊富な品揃えと価格競争力の高さで成長路線を走る。20年10月期は最終利益段階で前期比10.3%増の133億円と2ケタ増益を見込むが、タピオカブームを捉え新たな顧客層の開拓に成功しており、保守的との見方も。PERは30倍強とやや割高ながら、今期見通しも含めた直近10年間で最終減益となったのはわずか1期(14年10月期)のみで、成長性の高さが評価される形で中長期にわたる継続的な買いを誘導している。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で同社株のレーティングを「Buy」継続、目標株価を3440円から4000円に引き上げている。

■あすか製薬 <4514>  1,256円  +50 円 (+4.2%)  本日終値

あすか製薬<4514>が大幅反発。8日の取引終了後、スペインのインスッド・ファーマ社が保有する経口避妊薬「ドロスピレノン」に関して、日本及び韓国における開発販売でライセンス契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の契約により、あすか製薬は同剤の日本及び韓国における避妊を適応としたサブライセンス権付き独占的開発販売権を獲得する代わりに、インスッド社に対して契約締結時一時金のほか、開発の進捗に応じたマイルストンを支払うことになる。なお、同件による20年3月期業績への影響は軽微としている。

■日本電子 <6951>  3,425円  +130 円 (+4.0%)  本日終値

日本電子<6951>が急反発、マドを開けて買われ新高値。昨年秋口以降、継続的な資金流入が観測され、株価は25日移動平均線をサポートラインに強力な上昇トレンドを形成している。次世代のEUVリソグラフィーに対応した同社のマルチビーム描画装置が売り上げを大きく伸ばしており、マーケットの評価が高まっている。20年3月期営業利益は前期比6.4%増の71億円を見込むが、21年3月期も増益基調に変化はない。

■村田製作所 <6981>  6,811円  +190 円 (+2.9%)  本日終値

村田製作所<6981>、TDK<6762>、アルプスアルパイン<6770>など電子部品株が軒並み物色人気となっている。米国株市場ではここアップル株の上値追い基調が鮮烈で、最高値街道を走り注目を集めている。アップルは7日から開催されている世界最大のデジタル技術見本市「CES」に1992年以来、実に28年ぶりに参加するなどで話題性もある。アップルの有力サプライヤーとしてコンデンサーなどスマートフォン向け部品を提供する日本の電子部品メーカーにも海外投資家を中心とした機関投資家の買いが流入しているもよう。

■平河ヒューテック <5821>  1,763円  +47 円 (+2.7%)  本日終値

平河ヒューテック<5821>が大幅高で昨年来高値更新。通信系に強いケーブルメーカーで、電装化が進む自動車向けに車載用ケーブルが好調。自動車業界の技術革新トレンドである「CASE」に絡む需要取り込みが期待されている。また、半導体業界向けも、メモリー市況回復に向けた思惑が強まるなか、半導体製造装置用ケーブルの回復にも期待がかかっている。20年3月期業績は会社側計画に未達の可能性もあるが、株価は既に織り込む一方、5G環境のもとIoT関連に対応したネットワーク機器関連の需要獲得が見込まれる21年3月期の業績拡大を先取りする動きとなっている。

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