本多通信工業---社長の横顔

材料
2020年1月10日 14時47分

“Value by Connecting (つなぐ喜び、創る感動)”をスローガンに掲げる本多通信工業<6826>。グループ全員参加でステークホルダーへのコミットメントとして制定した。

「モノとモノがつながるIoTばかりでなく、人と人とをつなぐ、世代と世代をつなぐという意味も含んでいます」と語るのは佐谷 紳一郎(さたに しんいちろう)社長。

電子機器や部品間の電気や信号を「つなぐ」コネクタの製造販売が主要事業である。

逓信院から電話交換機用のプラグの製造指定工場として成長してきた経緯があり、通信インフラで培った技術と信頼性が強みである。顧客は、通信インフラ、FA機器、車載、民生機器、情報システム等、多岐に及ぶが、現在では車載向け製品の割合が36%と最も高い。

社長に就任したのはITバブル崩壊後の2010年。2008年に資本業務提携した松下電工(現パナソニック)から社外取締役に就任していた。古巣からは、コネクタ事業の製品バリエーションを増やし、ポートフォリオを充実させるという要望があった。同社には多品種少量生産の強みがあったが、長くNTTグループとの取引にどっぷりと浸かっていたこともあり、経営の軸が定まっていなかった。大量生産品は得意ではないのに、携帯電話やパソコン向けのコネクタにも手を広げていた。佐谷社長は、苦手分野からは全て撤退、構造改革を断行し、黒字体質に転換した。

転機はカーナビゲ?ションのカメラ向けコネクタに進出したことだった。当初カーナビ大手には車載事業未経験の同社の製品は採用されなかった。佐谷社長がカーナビ・カメラ向けコネクタの話を持ち込んだのはライバル会社だった。当時、自動車関連に進出し始めたライバル会社のカーナビ事業は、開発の緒についたばかりで、同じように車載向けは未経験だった同社の提案に耳を傾けてくれた。結果的にそれが功を奏し、現在に至るまで主要な顧客となっている。

2019年度を転換点としゴール時期を2022年度に変更した中期計画“GC20”では、売上高270億円、利益率12%を目標に掲げ、持続性のあるGood Companyとなることを目指している。ESG経営に注力していく。自動運転の進展に伴うセンシング技術に車載用コネクタではCASE、通信用コネクタでは5Gなど、同社の事業にとっては追い風だ。

《SF》

提供:フィスコ

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