富田隆弥の【CHART CLUB】 「今年もトランプ戦術相場は健在」

市況
2020年1月11日 10時00分

◆乱高下で始まった2020年相場。言うまでもなく震源は中東の地政学リスクで、日経平均株価の騰落は大発会(6日)から9日まで451円安、370円高、370円安、535円高と推移し、東証1部の値上がり(値下がり)銘柄数も277(1835)、1961(146)、150(1981)、1960(157)と極端な日々が続く。

◆ただ、株価が高所にきているので風雨が強まるのは仕方なく、1月相場には調整アノマリー(経験則)もある。そして、不安を募らせて売らせては踏ませる(買い戻しを誘う)というトランプの戦術は今年も健在だ。過剰流動性の相場は、もうしばらくダイナミックに動くことが想定される。

◆日経平均は8日に一時2万2951円まで下げ、日足チャートは「陰転」を暗示した。だが、8日の安値は一目均衡表の雲(2万3100~2万2442円)に差し掛かり、75日移動平均線(2万2912円)に迫ったところから切り返して下ヒゲを伸ばす「たくり足」となった。そして、9日は535円高の2万3739円と大きく上げて25日移動平均線(2万3623円)をクリアし、大発会で開けた窓(2万3656円)を埋めた。

◆強い切り返しではあるが、ここまでは崩れたあとのアヤ戻しである。日足を「好転」に戻すには、2万4000円台回復から12月17日の高値2万4091円を奪回しなければならない。逆に下値は75日移動平均線が注意ポイントで、これらが当面のチャートの上下ポイントになる。

◆ただ、NYダウナスダックが乱高下しながらも過去最高値を更新。8日に107円65銭まで円高が進んだ為替(ドル・円)も、10日夜間には109円50銭台を回復。こうなると、日経平均の「好転」も可能だろう。まずは、2万4091円奪回からアベノミクス相場の最高値2万4448円(18年10月)に向けて動くことを期待したい。

(1月9日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

★「富田隆弥のチャート倶楽部2020スペシャル」など →→【新春特集】の記事一覧をみる

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.