明日の株式相場戦略=高パフォーマンス相次ぐ低位株

市況
2020年1月14日 17時43分

3連休明けとなった14日の東京株式市場は日経平均が3日続伸、2万4000円ラインを挟んでの攻防となっていたが、結局大引けはわずかながら2万4000円を上回って着地した。これは大引け時点では昨年12月17日以来となる。いよいよ2018年10月につけたアベノミクス高値2万4448円(終値ベースでは2万4270円)の奪回を意識する段階に入った。

もっとも、この日経平均2万4000円トビ台というのは今の東京市場にとっては結構な因縁場といえ、昨年12月にも再三2万4000円トビ台までは歩を進めるのだが、そこからは見えない壁が立ちはだかるように何回も押し返されるケースが続いた。果たして今回はどうなるか。外部環境としては外国為替市場で1ドル=110円台まで円安が進んだことが新たなポジティブ材料となっているが、これを足場にもう一段の高みを目指せるのか否かが注目される場面だ。

外部環境は年明け早々に波乱相場を演出した米国とイランの対立も、軍事衝突に発展する懸念が後退した時点で売り材料としての脅威が霧消した。今後も波乱の芽となる可能性は消えていないが、相場への影響という点では今のところ鳴りを潜めている。現状は再び米中協議の行方にスポットライトが当たっており、一つのメルクマールとして15日の第1段階の合意文書署名が注目されている。第2段階の合意には遠いという見方もあるが、マーケットが気にしているのはそこではない。要は米中関係が険悪であるのか、そうではないのかということで、その意味では合意文書署名に先立って米国が中国を「為替操作国」の認定から外したことは、現在進行形で両国の関係改善を示唆するものとして好感されている。

個別では、年明けに取り上げたフィードフォース<7068>が望外の相場。前週末に続き、きょうも一時ストップ高に買われる人気となり一気に3000円大台まで上値を伸ばすシーンがあった。きょうは先物主導によるインデックス買いが日経平均上昇の原動力で、時価総額上位に位置する主力値がさ株が買われる一方、値幅を出した中小型株はいったん利食いのタイミングとなる銘柄が多かった。マザーズ指数はマイナス圏で引けたが、相場の若い同銘柄はその向かい風の中で上値指向の強さをみせた。長い上ヒゲは引いたものの粘り腰をみせ日足陽線を維持した。

低位株の一角も派手な上昇パフォーマンスを演じる銘柄が少なくない。倉元製作所<5216>などは実態面からは買いの根拠を主張しにくい銘柄といえるが、きょうは動意後3回目となるストップ高。マネーゲーム的要素が強いとはいえ、流動性相場の片鱗を垣間見ることができる。ドローン関連で株価を急浮上させた理経<8226>も200円近辺という値ごろ感が最大限に機能した。低位株ということであれば、これらに比べ上値は重いもののジェクシード<3719>も動意含みでマークしておく価値がありそうだ。TCSグループに属していたが、ここ玉移動の思惑が交錯している。現在の筆頭株主であるビーエムアイ ホスピタリティ サービシス リミテッドの保有株が増加したことが注目されているようだ。また、昨年9月に人工知能(AI)分野に積極展開するクリスタルメソッド(東京都千代田区)と業務提携しており、医療や教育分野でAI技術を活用したビジネスに活路を見いだす構えにある。

このほか、5G関連の一角では大泉製作所<6618>が上値の可能性を感じさせる足。振動試験装置でトップクラスのIMV<7760>も動意前夜の雰囲気を醸す。IMVは電気自動車(EV)向けで高水準の需要があるリチウムイオン電池でも充放電の性能を確認する受託試験を手掛け、テーマ買いの流れにも乗りやすい。このほか、待ち伏せ買い対象としてはネットを活用したリサーチで実績の高いマクロミル<3978>などもマークしておきたい。

日程面では、あすは12月のマネーストックが朝方取引開始前に開示され、大引け直後に12月の工作機械受注が発表される。このほか、日銀支店長会議で黒田日銀総裁が挨拶を行う。海外では12月の米卸売物価(PPI)や1月のNY連銀製造業景気指数などの発表が行われる。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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