話題株ピックアップ【夕刊】(1):アシックス、ソニー、サイボウズ
■パスコ <9232> 2,234円 +149 円 (+7.2%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
パスコ<9232>は大幅に5日続伸し、昨年来高値を更新した。同社はきょう、スマート農業の普及に向けて東京農業大学及び東京情報大学と包括連携協定を結んだことを明らかにし、これが材料視されたようだ。スマート農業とは、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、超省力化・精密化や高品質生産を実現する新しい農業のこと。3者はスマート農業を普及させるための施策立案に加え、一次産業での新たな空間情報技術活用の可能性を追求するとしている。
■トーセイ <8923> 1,463円 +65 円 (+4.7%) 本日終値
トーセイ<8923>が4日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は15日、同社株のレーティングの「バイ」を継続するとともに、目標株価は1800円から1900円に引き上げた。流動化案件の仕入れ・売却が好調で業績は増益基調が続くと予想している。19年11月期の連結営業利益は前の期比16.7%増の126億9100万円と最高益を更新した。20年11月期の同利益は前期比9.5%増の139億円(会社予想137億3700万円)、21年11月期は今期推定比15.1%増の160億円を予想している。
■サイボウズ <4776> 1,760円 +48 円 (+2.8%) 本日終値
サイボウズ<4776>の上値指向が強い。昨年12月下旬以降一貫した上昇波を形成し、時価は2006年以来14年ぶりの高値水準で実質青空圏を走る展開。グループウェアのソフト開発を手掛け、クラウドサービスを主力に収益を伸ばし、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の一角として注目度が高い。クラウド事業の契約社数は増勢一途で成長期待も強い。19年12月期は従来見通しを上方修正し、営業利益は前の期比50%増の16億5200万円を見込む。また、20年12月期も増益基調が続く見通し。
■アシックス <7936> 1,703円 +42 円 (+2.5%) 本日終値
アシックス<7936>は5連騰。この日朝の複数のメディアで、陸上の長距離で好記録が続出して注目されている米ナイキの「厚底シューズ」について、世界陸連の新規則によって禁止されることになると英メディアが報じたとされており、同シューズによるシェアダウンが警戒されていた同社株には、懸念払拭との思惑から買い戻しの動きが出たようだ。
■寿スピリッツ <2222> 8,870円 +130 円 (+1.5%) 本日終値
寿スピリッツ<2222>が反発。15日の取引終了後に発表した第3四半期(19年10~12月)売上高が、前年同期比17.9%増の132億8800万円となったことが好感された。首都圏での展開強化及びインバウンド対策として注力している国際線ターミナル売店での卸販売強化などに取り組んだことが奏功した。セグメント別では、既存店の販売強化及び積極的な新規出店などにより直営店売り上げが伸長し、また国際線ターミナル売店及び駅エリアでの卸売り上げが好調に推移した「シュクレイ」が29.1%増と全体を牽引。国際線ターミナル売店での卸売り上げが伸長した「ケイシイシイ」も12.3%増となった。なお、4月からの累計では売上高は356億7600万円(前年同期比20.5%増)となった。
■ダイセル <4202> 1,040円 +13 円 (+1.3%) 本日終値
ダイセル<4202>が反発。SMBC日興証券は15日、同社株の投資評価を「3」から「2」へ引き上げた。目標株価は840円から1150円に見直した。19年6月に就任した小河社長のもと、構造改革に踏み出すことで21年3月期は5年ぶりの営業増益となる確度が高まったとみている。同証券では20年3月期の同利益は前期比32%減の350億円(会社予想360億円)を見込んでいるが、21年3月期の同利益は420億円を予想している。また、19年3月期の191億円に続き20年3月期は総額200億円の自己株式の取得を実施・表明するなど株主還元に積極的な姿勢も前向きに評価している。
■ソニー <6758> 7,936円 +56 円 (+0.7%) 本日終値
ソニー<6758>が反発。ここ活況商いが続いており、前日は株価こそ軟調だったものの東証1部で売買代金首位となった。きょうも10時21分現在で売買代金は250億円達し、トップに位置している。同社が手掛けるイメージセンサーへの評価が高く、海外機関投資家とみられる買いが続いている状況。時価総額は10兆1000億円台とITバブル時以来となる10兆円台をキープしており、時価総額10兆3000億円台のソフトバンクグループ<9984>にも急接近している。
■日本毛織 <3201> 1,061円 -67 円 (-5.9%) 本日終値 東証1部 下落率3位
日本毛織<3201>が大幅反落。15日の取引終了後に発表した20年11月期の連結業績予想で、売上高1100億円(前期比13.0%減)、営業利益87億円(同16.9%減)、純利益57億円(同12.6%減)と2ケタ営業減益を見込んでいることが嫌気された。前期に続き衣料繊維事業の収益改善を見込む一方、前期に人とみらい開発事業で建設工事の大型受注や販売用不動産の売却があった反動に加えて、商業施設のインフラ整備や通信分野の事業再編を見込んでおり、これらが利益を圧迫する。なお、19年11月期決算は1264億100万円(前の期比14.4%増)、営業利益104億7200万円(同25.1%増)、純利益65億2000万円(同23.6%増)と10月に発表した修正予想値の営業利益95億円を上回って着地した。同時に上限を100万株(発行済み株数の1.38%)、または12億5000万円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は1月16日から11月30日で、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を含む市場買い付けにより取得するとしている。
■RPAホールディングス <6572> 1,030円 -22 円 (-2.1%) 本日終値
RPAホールディングス<6572>は反落。岩井コスモ証券は15日、同社株の投資判断を「A」から「B」へ2段階引き下げた。目標株価は1600円から1050円に見直した。同社は10日取引終了後、20年2月期の連結営業利益を従来予想の16億300万円から4億7800万円(前期比49.9%減)とする大幅な下方修正を発表した。これが嫌気され、14日に株価は急落した。中堅・中小企業向けを主力とするRPA製品「BizRobo!mini(ビズロボミニ)」のパートナー販売体制の構築が計画より遅れたことや、インターネット運用広告を展開する事業で一部新規広告主の立ち上がりが計画より遅れたことが、業績悪化の要因となった。同証券では21年2月期の同利益は今期予想比57%増の7億5000万円を見込んでいる。ただ、同社の株価に対しては高い評価が付与されていることから、決算発表などで来期以降の業績回復ペースを確認する必要があるとみて、投資判断と目標株価を引き下げている。
株探ニュース