話題株ピックアップ【夕刊】(3):サイステップ、川本産業、KYCOM
■KYCOM <9685> 691円 +100 円 (+16.9%) ストップ高 本日終値
KYCOMホールディングス<9685>がストップ高。通信や公共向け中心にシステムの受託開発を手掛け、データ関連サービスなどにも展開する。各省庁が今秋をメドに基幹システムにおけるクラウド環境構築を本格化させる構えにあり、官公庁版DX関連として、ここにきて物色人気が加速した。株式需給面で600円台から上の水準は滞留出来高が希薄であり、売り物薄のなか真空地帯を駆けあがる形となった。
■川本産業 <3604> 691円 +100 円 (+16.9%) ストップ高 本日終値
川本産業<3604>がストップ高に買われたほか、アゼアス<3161>や日本アビオニクス<6946>、興研<7963>、重松製作所<7980>など新型コロナウイルスに関連した銘柄が軒並み高。中国湖北省武漢で、新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎が相次いでいることについて、中国当局では北京や南部の広東省でも武漢を訪ねていた合わせて3人の感染が新たに確認されたと発表。中国当局が、武漢以外の場所で患者を確認したと発表したのは初めてであり、感染拡大への警戒感から関連銘柄に思惑的な買いが入ったようだ。また、18日付の日本経済新聞朝刊で「ユニ・チャームはマスクの増産を始めた」と報じ、その背景に「新型コロナウイルスによる肺炎患者を日本で確認したと発表し、小売店からの発注が急増したため」とあることや、中国の春節(旧正月)を控えて、感染拡大が懸念されていることも関連銘柄への買いにつながったようだ。
■アイエックス・ナレッジ <9753> 908円 +118 円 (+14.9%) 本日終値
アイエックス・ナレッジ<9753>が急騰、昨年10月28日につけた戻り高値819円を上回ったことで投資資金の流入が加速、底離れの動きを本格化させている。システム開発を手掛ける銘柄が相次いで物色人気化しているが、そのなか金融系に強い銘柄に投資資金が集中する傾向がある。同社はその流れに乗る銘柄で、キャッシュレス決済やブロックチェーン分野などで存在感を示すほか、政府が普及に注力の構えを強めているマイナンバー関連でも活躍余地が意識されている。20年3月期営業利益は前期比2%増の8億4000万円を見込むが、21年3月期は傾注するクラウドサービス分野などが牽引し、伸び率が高まる可能性がある。
■アクリート <4395> 837円 +100 円 (+13.6%) 本日終値
アクリート<4395>が大幅続伸。17日の取引終了後に発表した19年12月期第4四半期のSMS配信数で、国内市場向け配信数が前年同期比3.5倍、前四半期比66.5%増となったとしており、これが好感された。一方、海外SMSアグリゲーター経由の配信数は減少しており、第4四半期のSMS配信数は前年同期比10.9%減の8883万1000通。19年12月期通期では前期比6.2%減の3億4071万通だった。
■NCS&A <9709> 689円 +73 円 (+11.9%) 本日終値
NCS&A<9709>は大口の買い注文が流入し急上昇。システム開発会社でAI・IoT分野を戦略的に開拓しているほか、足もとはインバウンド関連で強力な追い風が吹いている。東京五輪を境に再び増勢が予想される訪日客需要を見込みホテル開発が進んでいるが、同社はホテル関連システム全般においてNEC<6701>のトータルパッケージソフトを販売、更に自社の主力製品である宿泊インターネット予約システム「i-honex」で受注獲得が進んでいる。大阪に本社を構え、地の利を生かし25年の万博関連特需の取り込みにも期待が大きい。
■サイバーステップ <3810> 2,368円 +168 円 (+7.6%) 本日終値
サイバーステップ<3810>は後場急上昇。午後1時ごろ、20年5月期の連結業績予想について、営業利益を5億円から8億円(前期比4.4倍)へ、純利益を3億円から6億円(前期3億300万円の赤字)へ上方修正しており、これが好感された。売上高は従来予想の130億円(前期比12.5%増)を据え置いたものの、「トレバ」における景品管理システムの見直しや、配送及び運営にかかるコストの削減などで収益改善が想定以上に進んでいることが要因としている。
■前田製作所 <6281> 680円 +45 円 (+7.1%) 一時ストップ高 本日終値
前田製作所<6281>が一時ストップ高。前田建設工業<1824>が午前11時5分ごろ、100%子会社である前田総合インフラを通じて、前田道路<1883>に対してTOBを実施すると発表したこと受けて、前田建が発行済み株数の44.5%を所有する前田製作にも出資比率引き上げなどの思惑的な買いが入ったようだ。
■セキュアヴェイル <3042> 1,035円 +54 円 (+5.5%) 本日終値
セキュアヴェイル<3042>が昨年2月以来約11カ月ぶりに4ケタ大台を回復したほか、ラック<3857>、FFRI<3692>、デジタルアーツ<2326>、インテリジェント ウェイブ<4847>などサイバーセキュリティー関連が軒並み上昇している。世界的にサイバー攻撃への警戒感が高まるなか、日本では今年に東京五輪開催を控えていることもあり、内閣サイバーセキュリティーセンター(NISC)が昨年11月に大規模な演習を行うなど、官民を挙げてサイバーセキュリティーへの取り組みに力を入れている状況にある。株式市場でも関連銘柄への物色意欲が改めて強まっている。
■キーウェア <3799> 817円 +40 円 (+5.2%) 本日終値
キーウェアソリューションズ<3799>の物色人気が加速。総合システム開発を手掛けはERPやセキュリティー分野で高実績を誇るほか、熟練農業者の技能の可視化と技能継承の支援を行うOGAL(オーガル)を展開し需要獲得を進めるなど、農業ICT分野で強みを持っていることが注目されている。農業ICT関連株はここ大和コンピューター<3816>やセラク<6199>など株価の居どころを大きく変える銘柄が相次いでいる。キーウェアも同関連の有力株として急浮上しているが、株価3ケタ台は値ごろ感が意識されているようだ。このほか、検査システム、院内感染対策システム、医療安全管理分野など自社製品を軸に医療ICTでも高い実力を有している。
●ストップ高銘柄
オータケ <7434> 2,681円 +500 円 (+22.9%) ストップ高 本日終値
地域新聞社 <2164> 872円 +150 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値
アゼアス <3161> 924円 +150 円 (+19.4%) ストップ高 本日終値
重松製作所 <7980> 1,008円 +150 円 (+17.5%) ストップ高 本日終値
イワブチ <5983> 10,200円 +1,500 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値
など、15銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース