話題株ピックアップ【夕刊】(3):シンシア、トランザス、OTS

注目
2020年1月21日 15時32分

■シンシア <7782>  762円  +76 円 (+11.1%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

シンシア <7782> が急騰。20日大引け後、19年12月期の連結経常利益を従来予想の6000万円→1億5700万円に2.6倍上方修正。増益率が2.3倍→6.0倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。価格競争の激化によるカラーコンタクトレンズの販売不調で売上高は計画を下回ったものの、販管費の圧縮を進めたことで採算が急改善し、利益は大きく上振れした。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の2円→4円(前の期は2円)に大幅増額修正したことも評価材料となった。

■トランザス <6696>  1,545円  +145 円 (+10.4%)  本日終値

トランザス<6696>が急反騰して一時、前日比242円(17.3%)高の1642円に買われ、昨年来高値を更新した。20日の取引終了後、東南アジアの商業施設サイネージを展開するシンガポール企業に対して、センサー連動型サイネージ2000台を納品したと発表しており、これが好感された。通常のサイネージは、スケジュールに従って配信された動画広告をパネルで順次表示していくだけのものが一般的だが、今回納品したセンサー連動型サイネージは、全パネルに同じ広告を流し、インパクト効果を与える利用や、全パネルで一つの広告に見えるよう、パネルを連携させてインパクト効果を与える利用など、既存のサイネージから大幅に進化したシステムになっているのが特徴。また、チャネル編成や動画配信を行うためのクラウド型CMS(コンテンツ・マネージメント・システム)を端末にあわせて提供し、東南アジアでもサイネージの配信ビジネスを開始したとしている。

■オンコセラピ <4564>  119円  +11 円 (+10.2%)  本日終値

オンコセラピー・サイエンス<4564>が急反騰。この日の寄り前、開発中のがん治療用抗体医薬OTSA101について、日本国内における滑膜肉腫に対する第1相臨床試験で、第1例目の投与を開始したと発表しており、開発の進捗を好感した買いが入ったようだ。同試験は、国内の難治性または再発性の滑膜肉腫患者を対象に、放射線同位元素を結合したOTSA101の投与による安全性及び体内薬物動態の確認を主な目的とするものという。なお、同社では引き続き患者登録を進めるとしている。

■Tホライゾン <6629>  889円  +57 円 (+6.9%)  本日終値

テクノホライゾン・ホールディングス<6629>が急動意、商いを膨らませ大きく切り返す展開となった。東京五輪に絡む需要を追い風に監視カメラなどが好調に推移するほか、電子黒板など教育ICT関連の需要開拓が進んでいる。昨年12月には、政府が2023年度までにすべての小中学生がパソコンなどのIT端末を利用できるようにする方向で予算を盛り込むなど政策支援の動きを強めており、これが同社にとっては強いフォローの風となる。20年3月期は営業利益段階で前期比5%増の12億円を計画するが、大幅な上振れが有力視されている。また、株式需給面ではここ外資系経由で空売り残高が膨らんでおり、その買い戻しによる浮揚力も働いているもよう。

■グッドコムアセット <3475>  2,225円  +140 円 (+6.7%)  本日終値

グッドコムアセット<3475>が大幅に3日続伸し、昨年来高値を更新した。同社は20日取引終了後に、販売用不動産を購入すると発表。将来の収益への寄与などが期待されているようだ。この物件は21年10月に完成予定の神奈川県川崎市にできるマンション。購入先及び取引内容については非公表としており、収益への計上は21年10月期以降になる見込みだとしている。

■長野計器 <7715>  1,029円  +54 円 (+5.5%)  本日終値

長野計器<7715>が全般地合い悪のなか、大幅高で4ケタ大台を回復。5日移動平均線を絡めた下値切り上げ波動を鮮明としている。圧力計・圧力センサーの世界トップメーカーだが、主力とする車載向けのほか、半導体生産ライン向け構造圧力センサー、デジタル圧力計、圧力トランスミッターなどを手掛けており、メモリー市況底入れへの期待感から見直し人気となっている。また、燃料電池車に燃料を供給する水素ステーション向けでは高圧水素用圧力計測器を積極展開している。経済産業省が無人水素ステーション解禁に向け姿勢を強めるなか、収益機会の拡大を見込んだ買いが継続している。

■テリロジー <3356>  841円  +24 円 (+2.9%)  本日終値

テリロジー<3356>が続伸したほか、デジタルアーツ<2326>、No.1<3562>、アズジェント<4288>、エルテス<3967>などサイバーセキュリティー関連の一角が高い。20日に三菱電機<6503>が大規模なサイバー攻撃を受けたことを発表したが、中国系のハッカー集団とみられる大手ハイテク企業などへのサイバー攻撃に対する警戒感が一段と強まっている。これを受けて、サイバー防衛関連に位置付けられる銘柄群に物色の矛先が向いた。

■ヤマウ <5284>  423円  +9 円 (+2.2%)  本日終値

ヤマウ<5284>が商いを膨らませ動意含み。きょうは寄り付きマドを開けて買われた後上ヒゲをつける形となったが、根強い買いが入っている。道路向けコンクリート2次製品を手掛け、公共投資に強く政府の景気対策の恩恵を受けやすい。M&Aで業容を拡大しているが、同社も年11円配当で2.6%前後の配当利回りを確保しているにも関わらず、PBRが0.5倍台と解散価値の半値近い水準で割安感が際立つ。道路業界の再編思惑に乗るほか、テクニカル的にも日足一目均衡表の雲抜けを達成し、波動転換を印象づけている。

■バンクオブイ <4393>  2,505円  +46 円 (+1.9%)  本日終値

バンク・オブ・イノベーション<4393>が急伸。午前11時ごろ、中国の上海東方明珠迪希文化伝媒(OPD2C)と、Re:アクションなりきりRPG「ミトラスフィア―MITRASPHERE―」のタイ・シンガポール・マレーシアにて配信することを前提とした独占ライセンス契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。「ミトラスフィア」は、天空を巨大な海が覆う世界「ミトラスフィア」で、その天海を漂う生命樹から降り注ぐ結晶「ミトラ」を巡る物語を描くファンタジーRPG。プレイヤーはアバターや武具、ボイスなどの組み合わせでなりたい自分になりきり、冒険を楽しむことができるのが特徴で、17年8月の配信開始から国内の累計ダウンロード数は700万を突破している。OPD2Cでは、「密特拉之星」として展開する予定で、20年9月期第2四半期中にタイ、シンガポール、マレーシアでの配信開始を予定しているという。なお、業績への影響は未定としている。

●ストップ高銘柄

ラオックス <8202>  347円  +80 円 (+30.0%) ストップ高   本日終値

重松製作所 <7980>  1,308円  +300 円 (+29.8%) ストップ高   本日終値

大日光 <6635>  1,390円  +300 円 (+27.5%) ストップ高   本日終値

前田道路 <1883>  3,835円  +700 円 (+22.3%) ストップ高   本日終値

オーミケンシ <3111>  710円  +100 円 (+16.4%) ストップ高   本日終値

など、11銘柄

●ストップ安銘柄

オータケ <7434>  2,181円  -500 円 (-18.7%) ストップ安   本日終値

など、1銘柄

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