話題株ピックアップ【夕刊】(3):川本産業、HMT、丸山製

注目
2020年1月29日 15時58分

■川本産業 <3604>  2,591円  +500 円 (+23.9%) ストップ高   本日終値

川本産業<3604>がストップ高、これで8日連続のストップ高という記録的な上昇をみせている。同社は医療用衛生材の大手で新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が進むなか、関連銘柄の一角として人気化した。また、配置医薬品の大手で除菌関連製品を手掛ける中京医薬品<4558>もストップ高、これで6日連続値幅制限上限に買われたことになる。新型肺炎関連で物色人気を集めた銘柄は一部利益確定の売りに押される銘柄も出始めているが、両銘柄については今のところ買い人気に衰えがみられない。ただし3月決算企業は第3四半期の決算発表シーズンにあり、これが思惑買いに水を差す可能性がある。川本産業は2月10日とまだ先だが、中京医薬は来週2月5日に予定されている。

■HMT <6090>  871円  +150 円 (+20.8%) ストップ高   本日終値

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<6090>が大幅続伸。午前11時ごろ、弘前大学及び東北大学と軽度認知障害バイオマーカーに関する特許共同出願契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の連携は、弘前大学及び東北大学の「革新的イノベーション創出プログラム『COI STREAM』」の研究成果を産学官民の共同で開発・普及させることが目的。HMTではうつ病を含めた精神疾患領域におけるバイオマーカーなどの研究開発を進めているが、同研究成果を開発・普及させるため、弘前大学及び東北大学の持ち分の一部譲渡を受けて特許共同出願を行うと共に、独占的実施権の許諾を受けることになったとしている。

■丸山製作所 <6316>  1,452円  +244 円 (+20.2%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

丸山製作所<6316>が急騰、一時21.7%高の1470円で上値を伸ばし、昨年5月上旬以来、約8カ月ぶりの高値圏に浮上した。東証1部の値上がり率トップとなっている。市場では「新型肺炎関連で新たな物色対象を見つけようという動きが活発だ。そのなか、農家向け防除機を手掛ける同社は噴霧器でも高いシェアを持っており、消毒作業などで使われるとの思惑が物色人気につながった。もっとも、連想ゲームの域を出ておらず、デイトレ対象と割り切った形での短期回転物色の一環とみられる。持続性には乏しい」(準大手証券ストラテジスト)としている。

■メディア工房 <3815>  542円  +80 円 (+17.3%) ストップ高   本日終値

メディア工房<3815>が急動意、一時8%を超える上昇で一気に500円台まで上値を伸ばした。スマートフォンやパソコン向けに占いコンテンツなどを配信するほか、子会社を通じて越境ECにも展開。中国消費者向けに一般用医薬品や化粧品を販売していることで、新型肺炎の感染拡大に伴うマスクや医薬品需要など同国における肺炎対策関連の一角として人気化素地がある。VR関連分野でも新境地を開拓、独自開発のリアルタイム実写立体動画撮影システムに引き合い旺盛で、同商品はフジテレビへの技術協力という形で実績を積んでいる。

■アクシーズ <1381>  2,730円  +381 円 (+16.2%)  本日終値

鶏肉大手のアクシーズ<1381>が急反騰、昨年来高値2669円を更新した。同社は28日取引終了後に、20年6月期第2四半期累計(19年7~12月)の連結営業利益が12億500万円(前年同期比3.2%減)になったと発表。ただ、10~12月期に限れば7億800万円(前年同期比31.4%増)となったことが好感されたようだ。連結売上高は第2四半期累計で99億3400万円(同0.7%増)、10~12月期では51億3400万円(同4.4%増)となった。主力の食品事業では肥育効率や製造歩留の改善に努めたほか、外食事業は既存店舗の販売が好調を維持した。なお、20年6月期通期の連結業績予想は、売上高196億円(前期比0.1%増)、営業利益21億円(同13.6%減)とする従来計画を据え置いている。

■カヤック <3904>  721円  +100 円 (+16.1%) ストップ高   本日終値

カヤック<3904>はストップ高の721円に買われた。28日に公式ツイッターで、同社がアメリカ向けにローンチしたハイパーカジュアルゲーム「Park Master」が、全米の無料ダウンロードランキングで1位になったと発表しており、これを好材料視した買いが入った。「Park Master」は、他の車を避けながら、指で線を描いてうまく車を駐車をするゲーム。日本でも昨年12月に配信を開始している。

■ジー・スリー <3647>  247円  +23 円 (+10.3%)  本日終値

ジー・スリーホールディングス<3647>が急伸。28日の取引終了後、従来非開示としていた20年8月期連結業績予想について、売上高49億5000万円(前期比1.9%増)、営業利益2億8000万円(前期3億4300万円の赤字)、最終損益3億4600万円(前期比31.1%増)を見込むと発表しており、営業損益の大幅改善を好感した買いが入った。岡山県の英田光太陽光発電所に太陽光パネルを供給することに関して、商品の仕入と販売が実績化したことに加えて、保有する太陽光発電所についてセカンダリーマーケットが形成されてきたことで引き合いが増加してきていることから、業績予想が算定可能になったとしている。同時に、エコ・キャピタル(東京都港区)などを割当先とする第三者割当による自己株式の処分及び新株式の発行で、約6億8500万円を調達すると発表しており、財務体質の強化につながるとの期待もあるようだ。

■日本エンタープライズ <4829>  253円  +11 円 (+4.6%)  本日終値

日本エンタープライズ<4829>は大幅続伸、75日移動平均線をターニングポイントに急速に切り返す動きをみせた。同社は28日取引終了後、ドコモCSとキッティングRPAツール「Kitting-One」の年間契約を締結したことを発表、これによる業容拡大期待を材料に買いが流入した。Kitting-Oneは、企業がスマートフォンやタブレットなど端末導入時に必要なアプリケーションのインストールや社内ネットワークの設定などの初期設定を行うキッティング作業を支援するツール。企業のIT投資需要旺盛ななか今後もキッティング市場の拡大が見込まれ、日エンターは同分野に注力の構えをみせている。

■朝日ラバー <5162>  861円  +30 円 (+3.6%)  本日終値

朝日ラバー<5162>が急動意、一時75円高の906円と値を飛ばした。株価は1月10日から取引時間中も含め3営業日連続ストップ高という急騰力を発揮、その後は調整局面にあったが25日移動平均線を足場に切り返しに転じてきた。切り紙構造とゴムの複合による新しい伸縮配線を開発しており、早稲田大学との共同研究にも活用されるなどウェアラブル分野への応用が見込まれることで今後の展開に期待が大きい。

■アズーム <3496>  2,703円  -467 円 (-14.7%)  本日終値

アズーム<3496>は急反落。28日の取引終了後に発表した第1四半期(19年10~12月)連結決算は売上高8億4200万円、営業利益100万円、最終損益200万円の赤字で着地した。今期から連結決算を開示したため前年同期との比較はないものの、前年同期の単独決算との比較では売上高46.7%増、営業利益93.8%減となり、最終損益が赤字転落したことを嫌気した売りが出た。遊休不動産活用事業で、月極駐車場サブリースサービスでの稼働台数の増加や紹介サービスでの紹介数増加により売上高は伸長したものの、子会社の人員採用などコスト増があり利益を圧迫した。なお、20年9月期通期業績予想は、売上高39億2800万円、営業利益1億9000万円、最終利益1億1700万円の従来見通しを据え置いている。前期の単独決算との比較では、売上高44.0%増、営業利益2.0倍、純利益2.1倍の見通しだ。

●ストップ高銘柄

新内外綿 <3125>  1,309円  +300 円 (+29.7%) ストップ高   本日終値

スガイ化学工業 <4120>  1,465円  +300 円 (+25.8%) ストップ高   本日終値

リプロセル <4978>  408円  +80 円 (+24.4%) ストップ高   本日終値

カイノス <4556>  1,706円  +300 円 (+21.3%) ストップ高   本日終値

マナック <4364>  1,756円  +300 円 (+20.6%) ストップ高   本日終値

など、14銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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