話題株ピックアップ【夕刊】(1):きんでん、富士通、アンリツ

注目
2020年1月31日 15時29分

■豆蔵ホールディングス <3756>  1,704円  +300 円 (+21.4%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率2位

豆蔵ホールディングス <3756> がストップ高。30日大引け後、MBO(経営陣が参加する買収)を実施すると発表したことが買い材料視された。発表によると、インテグラル傘下のK2TOPホールディングスが1株1885円でTOB(株式公開買い付け)を行う。買い付け価格は30日終値を34.2%上回る水準で本日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買い付け期間は1月31日から3月16日まで。TOBが成立した場合、同社株は上場廃止となる見通し。

■ユーグレナ <2931>  850円  +111 円 (+15.0%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

ユーグレナ<2931>が急反発。同社はきょう、自社のバイオ燃料製造実証プラントに導入しているバイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術がASTM D7566規格の新規格を取得したと発表。これが材料視されたようだ。ASTM D7566規格は、ASTMインターナショナル(旧 米国材料試験協会)が定めるバイオジェット燃料製造技術の国際規格。今回の取得により、同社のバイオ燃料製造実証プラントで製造したバイオジェット燃料は、民間航空機に搭載可能な燃料であると国際的に認められたことになる。

■SBテクノロジー <4726>  2,423円  +288 円 (+13.5%)  本日終値  東証1部 上昇率6位

SBテクノロジー<4726>が急反発し一時、前日比339円(15.9%)高の2474円に買われた。30日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年4~12月)連結決算が、売上高409億1600万円(前年同期比11.4%増)、営業利益21億5400万円(同42.4%増)、純利益13億2600万円(同69.8%増)と大幅増益となったことが好感された。主力のコーポレートITソリューション(CIT)事業でマイクロソフトのAzureを利用したシステム開発案件が伸長したほか、ビジネスITソリューション(BIT)事業で注力業界と定めたグローバル製造業向けのIoTシステム開発案件が大きく伸長するなど各ソリューション区分で増収増益を達成した。また、大型不採算案件が未発生だったほか、前期にあった一時的な営業外損失がなくなったことも寄与した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高540億円(前期比7.1%増)、営業利益30億円(同19.3%増)、純利益17億円(同22.6%増)の従来見通しを据え置いている。

■きんでん <1944>  1,884円  +219 円 (+13.2%)  本日終値  東証1部 上昇率7位

きんでん<1944>が急騰。株価は一時、前日に比べ17.1%高に買われ昨年来高値を更新した。30日取引終了後、業績予想の増額修正と自社株買いを発表したことが好感されている。20年3月期の売上高は5600億円から5750億円(前期比10.3%増)に見直されたほか、営業利益は404億円から423億円(同4.8%増)、純利益は305億円から307億円(同6.4%増)に増額された。一般電気工事や情報通信工事などが好調だった。同時に自社株取得枠の設定と自社株消却も発表した。自己株式を除く発行済み株式総数の5.53%に相当する1200万株、200億円を上限に、2月3日~21年1月29日の期間に取得する方針。また、取得した自己株式全部と昨年末時点で保有する自己株式の一部(100万株)を消却する。消却予定日は2月26日。

■アイネス <9742>  1,601円  +178 円 (+12.5%)  本日終値  東証1部 上昇率8位

アイネス <9742> が急騰。30日大引け後、20年3月期の連結経常利益を従来予想の20.5億円→30.5億円に48.8%上方修正。従来の8.2%減益予想から一転して36.6%増益見通しとなったことが買い材料視された。公共分野で法改正案件や福祉系システム案件の受注が想定より伸びることが寄与。開発・運用業務の稼働率向上やBPO事業の採算改善に加え、オフィス移転コストの削減も利益を押し上げる。

■富士通 <6702>  11,615円  +1,245 円 (+12.0%)  本日終値  東証1部 上昇率10位

富士通 <6702> が高い。30日大引け後、20年3月期の連結最終利益を従来予想の1250億円→1600億円に28.0%上方修正。増益率が19.5%増→53.0%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。ソリューションやシステム構築など国内サービス部門が伸びるほか、「Windows7」関連の買い替え需要なども寄与する。採算改善やコスト減少なども上振れの要因となる。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の160円→180円に増額修正した。併せて、発行済み株式数の2.71%にあたる550万株(金額で500億円)を上限とする自社株買いを実施すると発表。これを受けて、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■マキタ <6586>  4,255円  +425 円 (+11.1%)  本日終値

30日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)税引き前は14%減益も対通期進捗は過去平均を超過」が好感された。

マキタ <6586> が1月30日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。20年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結税引き前利益は前年同期比14.1%減の532億円に減ったが、通期計画の630億円に対する進捗率は84.5%に達し、前年同期の77.5%も上回った。

⇒⇒マキタの詳しい業績推移表を見る

■合同製鐵 <5410>  2,864円  +268 円 (+10.3%)  本日終値

合同製鐵<5410>が後場急伸し、昨年来高値を更新。午後1時30分ごろ、20年3月期の連結業績予想について、営業利益を75億円から90億円(前期比2.1倍)へ、純利益を65億円から70億円(同85.3%増)へ上方修正し、あわせて従来75円を予定していた期末配当を90円に引き上げたことが好感された。売上高は1700億円(同14.6%増)の従来見通しを据え置いたものの、連結子会社における操業休止期間の短縮による業績の改善に加えて、鉄鋼事業以外の業績が堅調に推移する見通しであることが寄与する。なお、年間配当は145円(従来予想130円)となり、前期実績に対して75円の増配となる予定だ。なお、同時に発表した第3四半期累計(19年4~12月)決算は、売上高1274億8900万円(前年同期比12.1%増)、営業利益60億8500万円(同81.1%増)、純利益57億4900万円(同2.4倍)だった。

■菱電商事 <8084>  1,659円  +128 円 (+8.4%)  本日終値

菱電商事<8084>が大幅反発。午前11時ごろ、20年3月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。毎年3月31日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、保有株数と保有期間に応じてクオカードを2000円から5000円分贈呈するという。なお、同時に発表した第3四半期累計(19年4~12月)決算は、売上高1699億4000万円(前年同期比4.4%減)、営業利益36億6300万円(同4.3%増)で着地。20年3月期通期業績予想は、売上高2336億円(前期比2.8%減)、営業利益53億円(同5.8%減)の従来見通しを据え置いている。

■アンリツ <6754>  2,149円  +155 円 (+7.8%)  本日終値

アンリツ <6754> が高い。30日大引け後、20年3月期の連結税引き前利益を従来予想の115億円→155億円に34.8%上方修正。増益率が1.2%増→36.4%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。今期業績の上方修正は昨年10月に続き、2回目。アジアを中心に5G関連のモバイル市場向け開発用計測器の販売が想定より伸びる。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の22円→31円(前期は22円)に大幅増額修正したことも評価材料となった。

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