今週の【早わかり株式市況】大幅反発、新型肺炎を巡る警戒感和らぎ買い戻し急

市況
2020年2月8日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週ぶりに大幅上昇、新型肺炎に対する警戒感和らぎ買い戻しが急

2.週間では前週の下げ幅と今週の上げ幅が622円で完全一致するという珍現象

3.週初は安く始まったものの、その後は米株高や中国株の堅調を受け切り返しへ

4.木曜日には先物買いを足場に今年最大の上げ幅、一時2万4000円に急接近

5.週末は買い戻し一服、新型肺炎によるサプライチェーン・リスクが意識される

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比622円(2.68%)高の2万3827円と3週ぶりに大幅反発した。

今週は前週に新型肺炎の感染拡大で大荒れとなったリスクオフ相場の歯車が逆回転、先物を絡めた買い戻しを誘発し、肺炎問題で下げた前週分をそのまま取り返した。2週間にわたり上下にハイボラティリティな相場となったが、前週は日経平均が週間で622円下落したのに対し、今週は622円の上昇と1円単位まで合致する珍しいケースとなった。

3日(月)は前週末の上昇を帳消しにする形で日経平均は230円あまりの下落で幕を開けた。中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が世界経済に影響を及ぼすとの思惑からリスク回避の売りがかさんだ。しかし翌日から全体相場はガラリと攻守ところを変えることとなる。4日(火)は中国・上海株市場などアジア株が堅調な値動きをみせたのを横目にショートカバーが入り切り返した。この時点ではまだ上値が重かったが、日を追って上げ足は加速する展開となる。5日(水)は前日の米株高に加え、為替が1ドル=109円台半ばまで円安方向に振れ、これを拠りどころに主力株が買われ日経平均は230円あまり高く引けた。6日(木)は、先物主導でショートポジションを積み上げていたヘッジファンドの買い戻しが一気に加速し、日経平均は一時670円強の急騰を演じ2万4000円台にあと一歩と迫る場面があった。引けは伸び悩んだとはいえ、554円高と今年最大の上げ幅を記録。更に売買代金はSQ算出や指数組み入れなどのイベントなしでは珍しい3兆円台まで膨らみ、現在の流動性相場を裏付ける格好となった。週末の7日(金)は先物主導の買い戻しが一服し小幅ながら反落。新型肺炎によるサプライチェーン・リスクが意識されるとともに、1月米雇用統計の結果を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせた。

■来週のポイント

来週は12月中旬以降に上値の壁となっている2万4100円を巡る攻防が期待される。ただ、肺炎の感染拡大による世界経済への影響が不透明なだけに上値が重い展開となる可能性もある。

重要イベントとしては、国内では10日朝に発表される12月の貿易収支や14日のオプションSQが注目される。海外では10日に発表される中国1月消費者物価指数のほか、14日発表の米国1月小売売上高や14日に実施される米中による相手国に対する追加関税の一部引き下げに注視が必要だろう。

■日々の動き(2月3日~2月7日)

【↓】   2月 3日(月)―― 反落、新型肺炎を警戒も急落後下げ渋る

日経平均 22971.94( -233.24)  売買高13億5797万株 売買代金 2兆5654億円

【↑】   2月 4日(火)―― 反発、朝安もアジア株堅調で戻り足強める

日経平均 23084.59( +112.65)  売買高12億7663万株 売買代金 2兆3504億円

【↑】   2月 5日(水)―― 続伸、米株急伸を背景にリスク選好の買い優勢

日経平均 23319.56( +234.97)  売買高13億2970万株 売買代金 2兆4412億円

【↑】   2月 6日(木)―― 続急騰、新型肺炎への警戒感後退でリスクオン加速

日経平均 23873.59( +554.03)  売買高16億5442万株 売買代金 3兆0510億円

【↓】   2月 7日(金)―― 4日ぶり反落、前日大幅高の反動で利益確定売り優勢

日経平均 23827.98(  -45.61)  売買高12億6463万株 売買代金 2兆3996億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、 30業種が上昇

(2)王子HD <3861> などパルプ・紙株が業種別上昇率トップ

(3)中外製薬 <4519> 、第一三共 <4568> など医薬品株が大きく買われた

(4)NTT <9432> など情報・通信、リクルート <6098> などサービスといった内需株が買い戻された

(5)パナソニック <6752> など電機、IHI <7013> など機械といった輸出株も総じて堅調

(6)金融株は第一生命HD <8750> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行、オリックス <8591> などその他金融が上昇も

野村 <8604> 、SBI <8473> など証券株は低調

(7)国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油株は大幅反発

(8)商船三井 <9104> など海運、フジクラ <5803> など非鉄、神戸鋼 <5406> など鉄鋼といった景気敏感株は動き鈍い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) マスク

2(2) コロナウイルス 武者陵司 「新型コロナウイルス問題をどう見るか」

3(3) 5G ─────── 5G×自動運転が織りなす究極のステージ、有望株・徹底探索 

4(5) インフルエンザ関連流行ピーク迎える 

5(4) インバウンド

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.