【杉村富生の短期相場観測】 ─ 歴史上の相場巧者はみんなバーゲン・ハンター!
「歴史上の相場巧者はみんなバーゲン・ハンター!」
●パニック的な投げ売り商状に!
いや~、ひどい相場である。内外のマーケットは新型コロナウイルス騒動に直撃され、パニック的な商状に陥っている。投げ売りに近い。多くの投資家が「株価がなくなる」とか、「資産が溶ける」ような恐怖感に追い込まれているのではないか。
古来、兜町の格言は嵐の時は動くな、落ちる短剣はつかむな、(増水時の)川底の金貨は拾うな、などと教えている。暴落時は余計なことをせず、「様子を見よ」ということ。
しかし反面、波乱はチャンス、という。さらに、肝要なのはリスクを取る(安いところを買う)勇気、谷深ければ山高し、といわれている。
セオリー的には、嵐が過ぎ去るのをじっと待つ戦術が正解だろう。だが、これでは巨利を得るのは難しい。歴史上の相場巧者のジョセフ・ケネディ、ジョン・テンプルトン、ピーター・リンチは基本的にバーゲン・ハンターである。
すなわち、背中がゾクゾクッとし、ギョッとする瞬間に、恐怖の林を抜け、絶望の森に踏み込み(あえて、買い出動)、財を成した人達だ。現在はそんな「おおげさな」状況ではないが、ここは突っ込み買いを検討するタイミングだと思う。
なにしろ、先物主導の急落だ。NY市場ではVIX(恐怖)指数の上昇(39ポイント台に)を受け、リスク・パリティ(株式などのリスク資産のウエイトを機械的に圧縮する)が発動された。NYダウは2月24日の1031ドル安、25日の879ドル安に続き、27日は1190ドル安だ。まさに、売りが売りを呼ぶ展開となっている。
●外資2証券の先物売りが突出!
日経平均先物の場合、直近の手口をみると、2月25日(日経平均株価は781円安)はABNアムロ、ソシエテ・ジェネラルの売りが合計5万2944枚、26日(同179円安)は同じく7万6549枚、27日(同477円安)は同様に6万1547枚だ。両証券の売りが突出している。恐らく、ヘッジファンドの用だろう。
先物の売買は基本的に“日計り”だ。そして、一方通行になる。売り叩きは一瞬にして買いあおりに変わる。その勝機を見極めるのは難しい。だからこそ打診買い、買い下がりに加え、突っ込み買いなどの投資戦術が有効である。
何を狙うか。突っ込み買いの視点では、900円割れ(2月28日に858円の安値)のファーマフーズ <2929> [東証2]、27、28日に連続ストップ安(28日に3330円の安値)のインスペック <6656> [東証2]、テーマ性を有し好業績のホロン <7748> [JQ]の4300円絡みなどに妙味があろう。
一方、攻めの投資(短期・順張り)では巣ごもり消費の出前館 <2484> [JQ]、小中学生の長い春休みに対応するチエル <3933> [JQ]、すららネット <3998> [東証M]、eラーニング事業のアルー <7043> [東証M]などに注目できる。
なお、銘柄を選ぶのは面倒だ、という投資家はNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]を仕込む作戦はどうか。
2020年2月28日 記
株探ニュース