話題株ピックアップ【夕刊】(2):アルチザ、ファストリ、昭和HD
■ファーストリテイリング <9983> 54,770円 -270 円 (-0.5%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が3日ぶりに反落。全体相場が下落するなか、株価は軟調に推移している。ただ、アナリストからは同社株を再評価する動きも出ている。SMBC日興証券は5日、投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は6万6000円(従来6万7000円)としている。同証券では、新型コロナウイルスの影響を織り込み20年8月期の業績予想を下方修正した。特に、中華圏は四半期での営業赤字転落もあり得ると予想している。しかし、21年8月期以降の業績拡大予想は変えておらず、今期の減益は来期からの増益要因と次第に肯定的な評価に変化する、とみている。とりわけ、中国や東南アジアは中間層の拡大に加え、ファッションを楽しみだしてからの年月が短く、需要の見通しは明るく、同社の成長は継続すると指摘している。
■昭和ホールディングス <5103> 60円 +15 円 (+33.3%) 本日終値
昭和ホールディングス<5103>が急伸。この日の寄り前、グループ会社のグループ・リース社がJトラスト<8508>グループのJトラスト・アジア(シンガポール)に対して提訴していた損害賠償請求申し立てについて、タイ裁判所が判決を下し、グループ・リース社が勝訴したと発表しており、これを好感した買いが入った。今回判決が下った訴訟は、Jトラスト・アジアが根拠のない濫訴を行っているとして、8億8000万バーツ(約30億円)の損害賠償を請求したもの。判決ではグループ・リースの損害賠償請求を認め、Jトラスト・アジアに対して6億8500万バーツ(約23億円)の損害賠償などの支払いを命じたという。
■アサヒ衛陶 <5341> 417円 +80 円 (+23.7%) ストップ高 本日終値
アサヒ衛陶<5341>はストップ高。5日の取引終了後、トイレセット「エディシリーズ」や温水洗浄便座「サンウォッシュ」及び洗面化粧台の全シリーズについて、新型コロナウイルス感染拡大の影響による他社での受注停止や欠品に伴い、想定以上の注文を受けていると発表しており、これが好感された。それに伴い、新規注文に関しては通常よりも納品までに時間がかかるとしている。
■太洋工業 <6663> 495円 +61 円 (+14.1%) 一時ストップ高 本日終値
太洋工業<6663>が一時ストップ高。同社は5日、高耐熱高柔軟プリント配線板を開発したと発表。これが材料視されたようだ。新たに開発した配線板は、伸縮性と耐熱性に優れ、透明でデザインの自由度が高いことが特徴。用途として、繰り返しの伸縮や回転動作に対応したロボティクス用回路基板、曲面や立体構造物などの3次元配線基板、高温下で使用される機器の回路基板などを想定している。
■日本食品化工 <2892> 1,395円 +122 円 (+9.6%) 本日終値
日本食品化工<2892>が急伸。大阪大学が5日、同大大学院工学研究科の麻生隆彬准教授及び宇山浩教授らの研究グループが同社と共同で、海洋で生分解する高強度プラスチックシートを開発したと発表しており、これが好感された。でんぷんやセルロースなど身近なバイオマスの巧みな組み合わせで開発したとしており、独自技術によりでんぷんにセルロースを複合化させることで、でんぷんの耐水性が大幅に向上し、得られたシート複合材料は優れた耐水性と高い強度を示したという。また、海水中で高い生分解性を示したとしており、海洋ごみ問題が地球規模の脅威になりつつあるなか、海洋プラスチック問題の切り札として期待できるとしている。
■アルチザネットワークス <6778> 1,366円 +112 円 (+8.9%) 本日終値
アルチザネットワークス <6778> [東証2]が急伸。5日大引け後に発表した20年7月期上期(19年8月-20年1月)の連結経常損益が2億0900万円の黒字(前年同期は3億9900万円の赤字)に浮上して着地したことが買い材料視された。5G向け通信計測器の販売が本格化したうえ、ネットワーク監視のパケットキャプチャツールも大きく伸び、98.6%の大幅増収を達成した。LTE規格向けの研究開発費と販管費が減少したことも黒字浮上の要因となった。通期計画の2億2500万円に対する進捗率は92.9%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。併せて、フィンランド・ノキアから5G向け基地局の性能評価・検証用テストシステムを受注したことも明らかにしている。
■日本基礎技術 <1914> 340円 +20 円 (+6.3%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
日本基礎技術<1914>が後場急上昇。午後2時ごろ、自社株買いを実施すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。上限を200万株(発行済み株数の7.49%)、または9億円としており、取得期間は3月9日から21年3月8日まで。資本効率の向上と株主への利益還元を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためとしている。
■シダー <2435> 174円 +4 円 (+2.4%) 本日終値
シダー <2435> [JQ]が高い。5日大引け後、20年3月期の連結経常利益を従来予想の1.3億円→1.5億円に10.8%上方修正。減益率が36.2%減→29.4%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。デイサービス事業、施設サービス事業とも堅調に推移するなか、台風被害に係る保険金収入を計上することなどが利益を押し上げる。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の2円→4円(前期は2円)に大幅増額修正したことも評価材料となった。
■ニイタカ <4465> 2,434円 +54 円 (+2.3%) 本日終値
ニイタカ<4465>が高い。正午ごろ、新型コロナウイルス感染拡大のグループ事業への影響を発表しており、一部製品に対する注文が1月後半から急増しているとしたことが好感された。同社ではこれを受けて、平日操業の時間延長や休日の操業で増産体制を強め、出荷量を増やしているという。また、中国及び日本に対して製品を供給する中国福建省の子会社では、春節休暇の延長を当局から命じられていたものの、2月17日から操業を再開しており、日本向け製品は平常通り生産している。
■イソライト工業 <5358> 499円 +9 円 (+1.8%) 本日終値
イソライト工業 <5358> が反発。5日大引け後、発行済み株式数(自社株を除く)の0.85%にあたる20万株(金額で1億3000万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は3月6日から5月29日まで。
株探ニュース