話題株ピックアップ【夕刊】(1):日経Dインバ、ニチレイ、国際石開帝石
■日経Dインバ <1357> 1,231円 +117 円 (+10.5%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>がマドを開けて急伸、一気に1200円台まで買われ、昨年8月下旬以来約6カ月半ぶりの水準に浮上した。日経平均の動きと逆方向に連動するように作られたETFで価格変動率は2倍に基本設定されており、全体相場波乱時には個人投資家からの人気が集まりやすい。NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>の裏銘柄としても知られるが、きょうは売買代金も全市場を通じ日経レバに次ぐ第2位と高水準で同銘柄に対するマーケットの関心の高さをうかがわせる。日経Dインバは2月最終週に大陽線で26週線を上抜いており、大勢トレンド転換を示唆していた。
■ニチレイ <2871> 2,833円 +68 円 (+2.5%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
ニチレイ<2871>が反発。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、外出を手控える動きが広がっていることから中食需要の拡大への思惑が強まっており、冷凍食品国内最大手の同社にも需要拡大の期待から買いが入ったようだ。
■HEROZ <4382> 3,355円 -700 円 (-17.3%) ストップ安 本日終値 東証1部 下落率5位
6日に決算を発表。「5-1月期(3Q累計)経常が27%減益で着地・11-1月期も77%減益」が嫌気された。
HEROZ <4382> が3月6日大引け後(15:00)に決算を発表。20年4月期第3四半期累計(19年5月-20年1月)の経常利益(非連結)は前年同期比26.8%減の2億7000万円に減り、通期計画の5億1000万円に対する進捗率は52.9%にとどまり、さらに前年同期の88.9%も下回った。
■国際石油開発帝石 <1605> 766円 -114 円 (-13.0%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>、JXTGホールディングス<5020>といった原油関連株が軒並み安。6日に開催された石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国による「OPECプラス」で減産交渉が決裂。サウジアラビアは一転増産に踏み切る方針も伝えられている。これに伴い、原油需給が崩れるとの観測が浮上。6日時点で1バレル41ドル前後だったWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格は、この日の時間外取引で一時30ドル前後まで急落している。
■アンジェス <4563> 532円 -75 円 (-12.4%) 一時ストップ安 本日終値
アンジェス<4563>が急反落、短期資金の逃避により一時ストップ安の507円まで売り込まれた。同社は5日、新型コロナウイルスの感染を防ぐDNAワクチンを大阪大学と共同で開発に乗り出すことを発表、これを材料視する買いに前週末まで2日連続のストップ高と人気化した。同ワクチンはDNAプラスミド製造技術を用いたもので、プラスミドDNAの製造技術・設備を有するタカラバイオ<4974>がDNAワクチンの構築・製造を担当する。アンジェスの株価はこれを好感する買いが集中したものの、2月に資金調達のために新株予約権の発行を発表するなど株式需給面に難点を抱えていることもあって、潜在的な売り圧力も強いようだ。
■第一生命HD <8750> 1,184円 -153 円 (-11.4%) 本日終値
第一生命ホールディングス<8750>が急落で10日連続安となったほか、ここ急速に値を下げているT&Dホールディングス<8795>も続急落となり、いずれも昨年来安値を大幅に更新する形となっている。米国では10年債利回りの急低下が話題となっているが、超長期債の30年債利回りも直近は1.3%台を下回り過去最低を大幅に更新している。米国事業で資金の長期運用を手掛ける生保セクターにとって逆風が改めて意識されている。
■三菱UFJ <8306> 432.4円 -55 円 (-11.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>がウリ気配スタートとなるなど、メガバンクが全般波乱安のなかで大きく下値を試す展開を強いられている。米10年債利回りは過去最低水準を更新する0.7%台まで急落しており、前週末の米国株市場ではJPモルガンが5%超の下落をみせるなど大手金融株が軒並み売り込まれた。東京市場でも米国事業を展開するメガバンクは運用環境の悪化を嫌気する売りがかさむ状況にある。
■日経レバ <1570> 15,210円 -1,810 円 (-10.6%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急落。株式市場全般はリスク回避の売り圧力に晒され、大きく下値を試す展開を余儀なくされており、日経平均はフシ目の2万円大台を1年2カ月ぶりに割り込んだ。これを受けて、日経平均に連動するETFで価格変動率が2倍に基本設定されている日経レバも19年8月初旬以来の1万6000円台割れとなった。売買代金も高水準に膨らみ取引開始後30分未満で530億円を超えた。
■ソフトバンクグループ <9984> 4,284円 -499 円 (-10.4%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は大幅続落。売買代金は東証1部上場企業のなかで2位以下を大きく引き離し断トツとなっている。全体リスクオフ相場で日経平均が一時1200円を超える下げとなるなど、波乱展開となっているが、そのなか先物主導の裁定解消売りの直撃を受けている。また、原油市況の急落でオイルマネーの動きが鈍るなか、同社のビジョン・ファンドの出資者であるサウジアラビアの資金にも影響が出るのではないかとの懸念も株価にネガティブに働いている。
株探ニュース