9日の米国市場ダイジェスト:NYダウ2013ドル安、原油価格の急落を警戒

市況
2020年3月10日 8時05分

■NY株式:NYダウ2013ドル安、原油価格の急落を警戒

米国株式相場は大幅続落。ダウ平均は2013.76ドル安の23851.02、ナスダックは624.94ポイント安の7950.68ポイントで取引を終了した。寄り付き直後にS&P500種指数が7%下落したことで「サーキットブレーカー」が発動し、15分間取引停止となった。米国を含めて世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が報告され経済活動が停滞する中、原油価格が急落し、金融市場の新たなリスクになるとの不安が広がった。ロシアとの協調減産の交渉が決裂後、サウジアラビアがシェア重視で増産方針に転換したため原油価格は20%超下落となり、下げ幅は1991年の湾岸戦争以来で最大となった。株式相場も終日軟調推移となった。セクター別ではエネルギーや銀行の下落が引き続き目立った一方で、食品・生活必需品小売りの下げは限定的となった。

アップル(AAPL)は中国向けiPhoneの出荷が2月60%減少したとの報道を嫌気して下落。バンクオブアメリカ(BAC)、JPモルガン(JPM)など大手銀は、金利低下や原油価格の急落が収益を圧迫するとの懸念から10%超下落した。また、住宅建設会社のKBホームズ(KBH)、レナー(LEN)は住宅ローン金利の低下にかかわらず、経済への不安が広がったため需要が鈍化するとの懸念に下落。クルーズ船を運営する客船会社大手のカーニバル(CCL)は米国務省が健康に問題ある人に対し、クルーズ船での旅行回避を警告したため約20%急落。一方、小売り大手のウォールマート(WMT)は新型肺炎の蔓延で、消費者が買い置きをする傾向が見られるとしたため上昇した。

株式投資家の恐怖心理の度合いを示す指数であるVIXは62.12まで上昇し、金融危機時2008年来で最高となった。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:

9日のニューヨーク外為市場でドル・円は101円19銭まで急落後、102円68銭まで上昇して引けた。原油価格の急落、新型肺炎の蔓延が世界中で報告され金融市場や経済の混乱を警戒し「質への逃避」で米国債相場が上昇。米国長期債の利回りは連日で、過去最低となりドル売りが加速。株安に連れたリスク回避の円買いも加速した。

ユーロ・ドルは、1.1485ドルまで上昇後、1.1377ドルまで下落して引けた。ユーロ・円は116円13銭まで下落後、117円29銭まで上昇した。ポンド・ドルは1.3095ドルから1.3150ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9213フランまで下落後、0.9311フランまで上昇した。安全通貨としてのフラン買いに拍車がかかった。

■NY原油:大幅続落で31.13ドル、サウジアラビアの増産方針を嫌気

NY原油先物4月限は大幅続落(NYMEX原油4月限終値:31.13 ↓10.15)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比-10.15ドルの1バレル=31.13ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは、27.34ドル-34.88ドル。ロシアとの協調減産の交渉が決裂後、サウジアラビアがシェア重視で増産方針に転換したため時間外取引のアジア市場で27.34ドルまで下落。通常取引開始後に34.88ドルまで戻したが、通常取引終了後の時間外取引で株安を嫌気して30.13ドルまで反落している。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 21.93ドル -3.78ドル(-14.70%)

モルガン・スタンレー(MS) 37.50ドル -4.34ドル(-10.37%)

ゴールドマン・サックス(GS)172.81ドル -20.04ドル(-10.39%)

インテル(INTC) 50.85ドル -4.92ドル(-8.82%)

アップル(AAPL) 266.17ドル -22.86ドル(-7.91%)

アルファベット(GOOG) 1215.56ドル -82.85ドル(-6.38%)

フェイスブック(FB) 169.50ドル -11.59ドル(-6.40%)

キャタピラー(CAT) 104.07ドル -17.34ドル(-14.28%)

アルコア(AA) 8.69ドル -2.32ドル(-21.07%)

ウォルマート(WMT) 117.16ドル -0.07ドル(-0.06%)

スプリント(S) 8.06ドル -0.88ドル(-9.84%)

《SF》

提供:フィスコ

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