今週の【早わかり株式市況】17%高と急反騰、日銀ETF購入増額・米大型コロナ対策に期待

市況
2020年3月28日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は7週ぶりに急反騰、週間の上げ幅は2800円超え17%高

2.海外ヘッジファンドのショートポジション解消の動きが加速する展開に

3.週央には日経平均が1400円強の上昇で約26年ぶりの上げ幅を記録

4.その後、東京都の外出自粛要請などが嫌気されて大幅に反落する場面も

5.週末は配当再投資の動きや駆け込み権利取りの動きなどを背景に大幅高

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比2836円(17.1%)高の1万9389円と7週ぶりに急反騰した。

今週は海外ヘッジファンドの買い戻しが一気に進み日経平均は急反騰に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感が世界的に強まるなかで、上下にハイボラティリティな展開が続いたが、米経済対策への期待感などを背景にファンドのショートポジションの解消が進み、想定を上回る戻り相場が演出された。

23日(月)は日経平均が3営業日ぶりとなる反発でスタート。前週末に日銀がETF購入額を大幅に増やし2000億円強の買い入れを行ったことで下値に対する不安が緩和され、リスクオフの反動による上昇。そして、このアンワインド(巻き戻し)の動きは翌日以降、一段と加速する形となる。24日(火)は日経平均が1200円あまりの急騰。更に25日(水)は1454円高と約26年ぶりの上げ幅を記録、テクニカル的にも目先底入れムードが強まった。これは前日の米株市場で、新型コロナに対処した大型景気対策への思惑からNYダウが2100ドルを超す過去最大の上げ幅を記録したことが引き金となった。リスク選好ムードが高まり、ヘッジファンド筋の先物を絡めた買い戻しが一気に進んだ。ただ、今回の波乱相場は一筋縄ではいかない。26日(木)は目先筋の買い戻しが一巡し、大きく下値を試す展開となり、日経平均は一時1000円を超える下げをみせる場面があった。小池東京都知事が25日夜の緊急記者会見で感染爆発への可能性に言及、外出自粛要請をしたことが嫌気された。そして、週末27日(金)は前日の米株急伸を受け、再び買いが優勢となった。機関投資家による配当再投資の動きや駆け込みでの権利取り狙いの買いが上げ足を助長する格好となった。

■来週のポイント

来週からコロナウイルス感染拡大の影響を受けた実体経済の指標が発表され始めるだけに、不安定で乱高下する相場展開が続きそうだ。

重要イベントとしては、国内では31日朝に発表される2月鉱工業生産や4月1日朝に発表される日銀短観が注目される。海外では31日発表の中国3月製造業PMIや4月1日発表の米国3月ISM製造業景況指数、4月3日に発表される米国3月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月23日~3月27日)

【↑】   3月23日(月)―― 3日ぶり反発、日銀のETF買い思惑で一時1万7000円台

日経平均 16887.78( +334.95)  売買高26億9739万株 売買代金 4兆0152億円

【↑】   3月24日(火)―― 急騰、買い戻しが加速し1万8000円大台回復

日経平均 18092.35( +1204.57)  売買高22億5686万株 売買代金 3兆6191億円

【↑】   3月25日(水)―― 続急騰、米景気対策の最終合意で1万9000円台回復

日経平均 19546.63( +1454.28)  売買高22億8028万株 売買代金 3兆7364億円

【↓】   3月26日(木)―― 急反落、都内の外出自粛要請受けリスク回避の売り優勢

日経平均 18664.60( -882.03)  売買高20億4967万株 売買代金 3兆3049億円

【↑】   3月27日(金)―― 急反発、米株高や配当再投資に絡む買いで高値引け

日経平均 19389.43( +724.83)  売買高23億6833万株 売買代金 3兆9093億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種が上昇

(2)値上がり率トップの第一生命HD <8750> など保険や三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株の買い戻し急

(3)ソニー <6758> など電機、コマツ <6301> など機械といった輸出株も大きく買われた

(4)内需株は三菱倉 <9301> など倉庫・運輸、三井不 <8801> など不動産、大成建 <1801> など建設は大幅高も

前週に上昇したJR東日本 <9020> など陸運、セブン&アイ <3382> など小売り、カゴメ <2811> など食品は上げ限定的

(5)住友鉱 <5713> など非鉄、AGC <5201> などガラス・土石、信越化 <4063> など化学といった素材株も大幅高

(6)前週売られた国際石開帝石 <1605> など鉱業は急反発

(7)ANAHD <9202> など空運業は戻り鈍い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 5G ─────── 彼岸底からの復活!?5G関連ほか注目株を紹介 

2(2) コロナウイルス

3(4) テレワーク

4(5) 巣ごもり

5(3) マスク

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.