【杉村富生の短期相場観測】 ─ 短期的な視点と長期的な視点を分けた行動を!
「短期的な視点と長期的な視点を分けた行動を!」
●投機筋(売り方)の買い戻しはほぼ一巡!
株式投資における相場解析(株価予測とともに、仕掛け、利食いのタイミングを計る)では短期・順張りと長期・逆張りの投資スタイル、戦術が大きく異なるように、短期的な視点と長期的な視点を分けて考える必要がある。これを混同したり、間違えると、コンスタントに“利”を得るのは難しい。いや、高値をつかみ、安値を投げる愚を冒すことになる。
まず、短期的な視点である。日経平均株価は3月19日の1万6358円を安値(ザラ場)に、猛烈な反騰劇を展開してきたが、目先はほぼ戻りいっぱいと思われる。このまま2万円の大台を突破し、一段高に進むのは無理だろう。
この背景にはテクニカル的な要因に加え、新型コロナウイルスの拡散に伴う実勢悪の顕在化、およびヘッジファンドなどの投機筋のショートカバー(売りポジション)の手仕舞い(買い戻し)が一巡、などがある。
ストップ高銘柄(全市場ベース)は3月23日に51、24日に91、25日に112あったが、26日は27と急減している。これは売り方の踏みが終わったことを意味する。恐らく投機筋は安倍政権の50兆円の経済対策の概要を事前に知っていたと思う。
今後の焦点は2番底形成の時期、下値のメドに移る。3月中旬の安値近辺を勇気をふるって買った「お宝の玉」は欲をかかず、2万円近辺では手堅く利食う作戦をお勧めする。それと同時に、コロナ・ショックの修復パターン(調整期間)が2000年のITバブル崩壊後のNASDAQ市場型か、リーマン・ショック後のNY市場型なのか、その判断が求められる。
●パニックは政策の母の経験則は生きる!
もちろん、再三指摘しているように、パニックは政策の母という。4月以降は景気・企業業績の悪化スピードと政策対応の競争(せめぎ合い)になる。政策対応については、もはや「何でもあり」の政策総動員態勢となっている。FRBはゼロ金利政策とともに、1兆ドル(約110兆円)の資金を供給、社債などを4.5兆ドル(約500兆円)購入することができるようになる、という。
トランプ米政権は2兆ドル(約220兆円)の財政出動を行う。ECBは7500億ユーロ(約90兆円)の資金を供給、ドイツは健全財政路線を放棄、財政支援を行う。各国の措置はリーマン・ショック時よりもはるかに大きい。この結果、長期的な視点では歴史の教訓が示しているように、危機は必ず克服されるだろう。
さて、目先の投資戦術は? 全般相場はもみ合いだろう。この局面は、ここ数日の逆行高銘柄にマトを絞りたいと思う。具体的には川本産業 <3604> [東証2]、出前館 <2484> [JQ]、アゼアス <3161> [東証2]、ブイキューブ <3681> 、ヘリオス テクノ ホールディング <6927> 、興研 <7963> [JQ]などはどうか。
同様の感覚では、深押しのDTS <9682> 、インソース <6200> 、セレス <3696> 、青山財産ネットワークス <8929> [東証2]、フォーラムエンジニアリング <7088> などの値戻しが期待できる。
2020年3月27日 記
株探ニュース