イオレ---アドテックからHRテックへ 求人広告市場での「運用型広告」でトップシェアをめざす

材料
2020年4月1日 10時29分

「若手が定着しない会社はいい会社だと思えないんです。若手が活躍する会社にしたいんです」と語るのは、イオレ<2334>の小川 誠(おがわ まこと)社長。

「おかげ様で、当社の入社後4年間の離職率はゼロです」(※取材時)

インターネットで広告を配信するサービス「pinpoint」を提供しているイオレ。社名の由来は「オーレ」というサッカーを応援する掛け声だ。その名の通り、サークル活動や部活動の試合の連絡を便利にするアプリ「らくらく連絡網」が原点である。創業者の吉田直人(よしだ なおひと)会長から経営参画を打診された2009年当時は、まだマンションの一室で事業を行っていた。自分の使命は「らくらく連絡網」を収益化し、新しい事業の柱を立ち上げることだった。そして上場を視野に入れていた。

現在では「らくらく連絡網」の売上高は数%に過ぎず、「pinpoint」事業が全体の67%を占める。小川社長が同事業を思いついたのは2014年の3月に遡る。全くの偶然だった。

口コミのみで増え続ける「らくらく連絡網」をメディアとしての側面ではなく、データベースとしての側面で活用ができないかを考えていた。教えを請うたのは自分が採用した若手の営業マンだった。頭でっかちなタイプだったがアドテックを熱心に勉強していることを知っていた。2時間ほど話した後、ユーザー情報を活用して広告配信とマーケティング調査を可能にするアイデアを思いついた。そのまま、二人で居酒屋に直行、現在のデータ・マネジメント・プラットフォームの事業構想を作り上げ、翌月にはサービスをリリースした。現在「pinpoint」の事業責任者はその時の若者である。

また、入社以来8年間、現在に至るまで新卒採用は自分で担当してきた。面接をはじめ、内定の電話連絡や内定後のフォローは今でも欠かさない。内定者の部活動の大会を応援しに行ったり学園祭のライブにも出かけたりもする。今年4月には社員の過半数がプロパーとなった。一期生が役職に就き、組織が大きく変わるタイミングでもある。

2017年にはマザーズ上場。だがすぐに現状に満足できなくなった。現在では「pinpoint」事業の8割が求人広告収入であり、年2桁の売上成長を達成している。

アドテック(広告)からHRテック(人材)へ、さらにエドテック(教育)やメドテック(医療)へ、夢は尽きない。自身が採用し育てた社員とともに新しい領域に挑戦していくと小川社長は熱く語っていた。

《SF》

提供:フィスコ

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