原油急反発でも上値追いづらい/後場の投資戦略

市況
2020年4月3日 12時24分

日経平均 : 17873.35 (+54.63)

TOPIX  : 1336.41 (+6.54)

[後場の投資戦略]

前日の米国市場では、トランプ氏の発言をきっかけに原油先物相場が急伸。原油安が産油国の財政悪化やシェール関連企業の信用不安につながると警戒されていただけに、ひとまず安心感につながったようだ。しかし、本日の日経平均は朝方に一時240円高まで上げ幅を広げると失速。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりにとどまっており、積極的な売買は手控えられている。業種別の動向を見ると、原油高に関連したところを除き、引き続きディフェンシブ性の強いセクターが資金を集めている印象。反面、景気敏感セクターの一角が弱い。マザーズ指数は早々に朝方マイナスへ転じており、個人投資家も週末を前に利益確定に動いていることが窺える。

米国では本日、3月の雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数の発表が予定されている。週間の新規失業保険申請件数が連続で過去最高を大きく更新するなか、雇用や経済情勢の悪化を警戒せざるを得ないところだろう。

また、本日は日経平均、東証株価指数(TOPIX)ともプラスで前場を折り返しており、日銀による上場投資信託(ETF)買い実施が期待しにくい。日経平均は直近4日で1500円以上下落しており、週末を控え買い戻しの動きが出てくる可能性もあるが、このところ後場に入ると先物の売りで下に振らされる場面が目立つ。これらを考慮すると、積極的な押し目買いは入りづらいとみておいた方がいいだろう。

反発のきっかけとなった原油相場の動向についても、先行きを注視する必要がありそうだ。サウジはトランプ氏の求めに応じ産油国の臨時会合を要請したが、減産については米国等を含めた幅広い合意を条件としているもようで、ハードルが高い印象は拭えない。トランプ氏が示唆した減産幅についても、一部産油国は否定しているもよう。まずは臨時会合が実現するか見極めたいところだろう。

その他、新型コロナを巡っては東京都内で2日、新たに97人とこれまでで最多の感染者が確認された。一部外資系証券は日本の2020年経済成長率見通しを4%超のマイナスに下方修正。このところ外資系証券各社は東京の都市封鎖(ロックダウン)による経済への悪影響を巡る議論を活発化させており、これとともに海外勢の株価指数先物売りも再び強まってきた。当面、不安定な相場展開が続くことを想定しておきたい。(小林大純)

《AK》

提供:フィスコ

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